メニュー 閉じる

PR特別企画 顔パスによる快適な旅を実現する “Fast Travel/One ID” とは?

増え続ける訪日外国人と対応すべき問題

税関検査場に設置された端末で、パスポートと、アプリに表示された2次元コードを読み取る

 インバウンドが止まらない。訪日外国人客の数は、2013(平成25)年に政府の念願だった1,000万人を超えると、2014年以降、約1,341万人→約1,973万人→約2,403万人→約2,869万人と年々、驚異的な増加を続けている。2018年は大台の3,000万人を確実に超える見通しだ。
 だが、これほど凄まじい伸びが毎年続いていけば、喜んでばかりもいられない。受け入れる側の対応能力も加速度的に増やしていく必要があるからだ。多言語対応をはじめとするコミュニケーションの問題、宿泊施設の問題、Wi-Fi環境の整備など課題はたくさんあるが、一般市民が気付きにくい問題のひとつがCIQ(税関:Custom、出入国管理: Immigration、検疫:Quarantine)体制の整備である。どれも日本の国益や国民の利益を守る重要な役目を持つ組織だが、その現場は近年の訪日外国人のあまりの増加によって大変な混雑になることも珍しくないという。おもてなしを期待して来日した訪日外国人客の第一印象が、税関や出入国管理窓口での長蛇の列だとすると、ちょっと残念なことではある。

電子申告端末の操作中に内蔵カメラで本人を撮影し、パスポートのICチップに搭載した顔画像と照合することで本人確認も瞬時に行えるため、ゲートの通過時間も短縮される

 そこで政府は、職員を増やすなどして全国の空港でCIQ体制の整備を進めているが、手続きを迅速化するための抜本的な対策もすでに動き出している。財務省税関が、2019年4月以降に成田空港の第3ターミナルで電子申告ゲートを用いた実証実験を開始するのだ。
 電子申告ゲートとは、入国者の税関検査の際、デジタル技術を用いて携帯品の申告・通関手続きを簡素化するシステム。具体的には、スマホなどにダウンロードした税関申告アプリを用いて携帯品の内容などを入力し、アプリ上で2次元コードを取得。その後、税関検査場に設置された端末で、パスポートと、アプリに表示された2次元コードを読み取ることで、従来の紙による携帯品・別送申告書より簡単に携帯品の申告手続きが可能になる。さらに、電子申告端末の操作中に内蔵カメラで本人を撮影し、パスポートのICチップに搭載した顔画像と照合することで本人確認も瞬時に行えるため、税関検査場の混雑緩和や待ち時間短縮に寄与するという。

旅行体験の満足度を向上させるための取り組み

NEC 交通・物流ソリューション事業部第五インテグレーション部の平本憲由(ひらもと・のりゆき)主任と田川理沙(たがわ・りさ)さん

 この電子申告ゲートを受注したのはNEC(日本電気株式会社)。世界No.1の認証精度を有する顔認証を開発した、この分野のトップランナーだ。実はNECは、この顔認証技術を活用し、通関手続きだけではなく旅行プロセス全体を快適にする「Fast Travel/One ID」を提案している。その一端は、同社が開催した展示会『NEC C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018』(11月8日・9日 東京国際フォーラム)でも披露された。会場には「Fast Travel/One ID」の展示ブースが設置され、多くの人が近未来の快適な旅を疑似体験していた。
 では、そのFast Travel/One IDとは一体どういうものなのだろうか。NEC 交通・物流ソリューション事業部第五インテグレーション部の平本憲由(ひらもと・のりゆき)主任と田川理沙(たがわ・りさ)さんにお話をうかがってみよう。

――Fast Travel/One IDのことをまったく知らない人にどう説明されますか?

田川 訪日外国人の方が最初に降り立つ空港では、さまざまな手続きの際にパスポートや搭乗券を見せる場面がありますが、混雑した状況になると行列ができ、それで不快な思いや面倒な思いをすることがあると思うんですね。顔認証技術を活用してそういう思いをなくし、外国人の方に「日本に来て良かった。また来たい」と思っていただけるような、旅行体験の満足度を向上させるための取り組みがFast Travel/One IDです。

――国土交通省でも、「空路の利用にかかわる一気通貫での円滑化等を通じた旅客満足度の向上(Fast Travel)」と、「手続きの各段階での本人確認を顔認証により一元化する運用(One ID)」を推進しているようですし、税関でも実証実験が始まりますね。

田川 国土交通省が推進しているという部分もありますし、世界的にも旅行者が急増しているので空港や航空会社が導入を進めているという流れがあります。その中で、顔認証における高い技術力と世界で数多くの実績を持っているNECとして、関係各社と連携し、取り組んでいきながら、展示会で見ていただいたような広い世界観を実現していきたいなと考えています。

――具体的にはどういう場面でどういう風に使われるのか、改めて説明してもらえますか。

平本 日本を訪れる外国人の方が空港に到着すると、現状ではパスポートを複数回、提示しなければなりません。Fast Travel/One IDでは、到着後、最初に1回、パスポートの情報と顔情報を専用端末で登録してひも付けることで、顔がその人を証明するIDになります。そのあとの入国審査、税関検査を顔パスで行えます。さらに、空港を出た後の街中、ホテル、買い物、そういった場所でも、最初にパスポートと顔を登録していますので、いちいちパスポートを出す必要はありません。今後は決済情報までつなげていき、顔決済による支払いを実現していきたいと考えています。交通機関や観光施設など関係各社との連携が取れれば、二次交通、観光といった場面にも顔パスが活用することができます。
 一連の旅行が終わった後、戻るのは空港です。自国に帰るためには出国手続きを行いますが、ここでも現状はパスポートや搭乗券を複数回提示しなければなりません。この場面でも、Fast Travel/One IDなら顔パスです。日本に着いて、旅行をして、帰国するという旅の一連の行程をすべて顔パスで快適に過ごせるわけです。

訪日外国人以外にも大きな恩恵が

空港で顔を読み取らせると帰国便搭乗口までの導線を案内してくれる表示板(※デモ)

――体験ブースでは、帰国の際にホテルで手荷物を預けてハンズフリーで空港へ向かったり、空港で顔を読み取らせると帰国便搭乗口までの導線を案内してくれる表示板があったりと、とても便利なサービスも提案されていました。Fast Travel/One IDで恩恵を受けるのは訪日外国人の方々だけですか?

平本 訪日外国人に限らず、日本人にも、国内におけるサービスとして利用できると考えています。日本人も、現状の空港手続きにおいては、パスポートや搭乗券を何度も見せる必要がありますが、Fast Travel/One IDの実用化の際には、顔パスで行えるようにしたいと思っています。さらに、空港で登録した顔情報を街中でも活用することで、あらゆるサービスが顔パスで受けられることを目指していきたいと考えています。

――国内線への導入は考えられますか?

平本 国内線における搭乗手続きの時間短縮化にもつなげていきたいと考えており、顔認証を活用したスムーズな搭乗プロセスを目指しています。

――Fast Travel/One IDはユーザーに大きな恩恵をもたらすシステムだと思うんですが、サービスを提供する側にもメリットがありそうですね?

平本 はい、交通、流通・小売、金融等の様々な企業にもメリットがあると考えております。行動履歴の情報を分析・活用し、CS向上や事業拡大に向け、施策/戦略/サービスの強化に繋げていくことを目指しています。

――システムのキモになる顔認証技術について教えて下さい

平本 人が相手の顔を見分けるのと同様に、予め登録した顔写真とカメラに映った人物の類似度をコンピュータが計算し、誰であるかを判定します。顔認証の特徴は、指紋認証において必要とされる装置に指を置くようなアクションも必要なく、カメラに顔が写ってさえいれば認証できるため、顔を登録している人だけウォークスルーでドアを開けることが可能です。そのため利便性においても優れた技術といわれています。弊社は顔認証だけではなく、様々な認証技術を研究しており、虹彩認証なども世界NO1の精度です。より強固なセキュリティを実現するために、実用化の際には顔、目という複合認証も、十分に考えられます。

――顔認証という場合、具体的にはどこを見ているんですか?

平本 顔を含む画像の中から目の位置をもとに顔領域を特定し、目・鼻・口端などの顔の特徴点位置や濃淡変化の差を数値化し、統計学的に判断しています。

最大の問題は誰が「顔」を管理するのか

――Fast Travel/One IDの実現にあたって一番難しい問題は何ですか?

平本 顔の情報を誰が管理するのか、ですね。NEC、空港、航空会社、街中のサービス提供者などの関係するステークホルダーの共通課題です。顔の情報は個人情報にあたるので、行政を交えた検討が必要だと考えています。

――スケジュール的には、やはり2020年が目標ですか?

平本 Fast Travel/One IDを実現するためには、段階的なステップを踏む必要があると考えています。まずは2020年の世界的スポーツイベントに向けて、空港での搭乗プロセスの顔パス化の実現を目指しています。その後、街中にも広げ、Fast Travel/One IDを実現させたいと考えています。

――イベントに来場して疑似体験されたお客さんはどんな反応でしたか?

田川 デモンストレーションを体験いただいたお客様は、認証の速さと精度の高さに驚かれた方が多く、各種手続きがスムーズで非常に便利になるので早く実現して欲しい、という期待の声をたくさんいただきました。
 また一方で、顔データの取り扱いが課題というご意見もいただきました。スムーズで便利になる取り組みですので、多くの方が安心して利用していただけるように、NECとしても各方面と連携しながら進めていきたいと考えています。

――それが実現すれば、訪日外国人の日本に対する印象はさらにアップしそうですね。お忙しい中、ありがとうございました。

 少子高齢化による経済の低迷が心配される日本にとって、「観光立国」は至上命題のひとつ。訪日外国人が落としていくお金は、2017年実績で4兆4,162億円と膨大な額になるからだ。それもあってか、政府機関が推進する「明日の日本を支える観光ビジョン会議」では、訪日外国人数を2020年に年間4,000万人、2030年に年間6,000万人とする大目標を掲げている。かなりの期待を込めた数字にも思えるが、Fast Travel/One IDが実現する「顔パスによる快適な旅」は、その目標を実現する切り札になるのかもしれない。

※ 米国国立標準技術研究所(NIST)主催のベンチマークテストにおいて、NECの顔認証は認証性能、検索性能、検索速度において4回連続で世界第一位評価を獲得。99%を超える照合精度があること、照合にかかる時間がわずか0.3秒程度であることなどが評価された。

NEC

NECグループは、1899年の創業時から「ベタープロダクツ・ベターサービス」をモットーに、高い倫理観を持って、お客さまにとって価値ある商品やサービスを創造し、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーから信頼され、選ばれる企業となり続けることを目指してきました。

現在、NECグループは、情報通信技術を用いて、社会に不可欠なインフラシステム・サービスを高度化する「社会ソリューション事業」に注力しています。この事業活動を通じ、人が豊かに生きるための「安全」、「安心」、「効率」そして「公平」という価値に基づく、「人と地球にやさしい情報社会」を全てのステークホルダーと協奏し作り上げていきます。

NECグループひとりひとりが自助の精神を持って、社会やお客さまの期待を率先して汲み取り、考え、行動し、価値を提供し続ける企業文化を定着させることを目指し、全てのステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにしていきます。