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次世代の伴奏者 MONEXな人々「投資は人生を豊かにする」マネックス証券株式会社 チーフ・ストラタジスト 広木隆氏 インタビュー

明日はうまくいく

明日はうまくいく

 「株は必ず上がる」と刺激的な原稿を書きました。なぜ、そう言えるのか。それは、日本を含む世界中の企業で働いているたくさんの人が、この社会を良くしようと思って働いているからです。個人の生活もそうだし、自分の仕事やビジネスを良くしようとしています。

 例えば、飲料水を作っている会社だったら、水を採取しボトルに詰めて、利益を上げようと思って行動している、今日も明日も明後日もです。他の企業で働く人も、良くしようと考えて取り組んでいる。そうすると、今日うまくいかなくても、明日はうまくいくかもしれない、明日うまくいかなくても明後日はうまくいくかもしれない。そうやっていなければ、この世の中の企業は既に終わっているでしょう。

 このようなビジネスの歴史が何千年も続いてきているわけです。アメリカの株式市場の歴史でいえば、200年ぐらい経過していますが、多くの人が日々、今日より明日、明日より明後日を良くしようと思って働いてきているのです。この営みは連綿と続いている。それは、うまくいかないこともあればうまくいくこともあって、どっちが多いかというと、うまくいくことのほうが多い。だからこそ、企業は生き残ることができたし、経済は大きくなってきた。それに伴って、株式相場はずっと上がってきています。アメリカの株式市場は今、歴史上一番高い水準です。株価は下がるときもあり上がるときもある、でも結局、上がっていくんです。それは、人々がみんな頑張るからです。

 もちろん、頑張ったから必ずうまくいくという保証はないですよ、ダメになることもある。でも大きくトータルに見たら、うまくいくことのほうが多いのです。失敗する企業はいるけど、うまくいく企業のほうが多いから、米国相場は歴史上、今が一番高くなっているわけです。

 学生時代にウィンドサーフィンをしていました。潮の目を読むのが基本ですが、潮の目は読みづらいし、風向きだってしょっちゅう変わる。だから「絶対はない」と痛感させられました。株式相場も、自然と同じです。風向きが突然変わったり潮の目ががらりと変わったりするって事があるということを、海のスポーツをやってきただけに、この相場にも同じ気持ちで臨んでいます。今はストラテジストという仕事に全精力を注いでいるので、今の自分が海に出たら体力がなく溺れてしまいますね。

豊かになる方法論

豊かになる方法論

 これから株式投資を始めようとする人へのアドバイスですが、株式というもののリターンに早く気づくべきです。もちろん、自分で一生懸命に仕事をするのが一番確実ではあるのですが、それ以外に、資本(お金)に稼いでもらうっていうのも、知っているのと知らないとではやっぱり豊かになる方法論も違ってくると思います。

 さらに言えば、株式投資というのは人生そのものを豊かにしてくれると言いたい。というのは、投資をすると、どうしてもその企業のことや、世界、日本の動向など、自分のアンテナが敏感になります。自分の本業だけやっているよりは、世の中に対する感度が高くなり、結果的に自分の人生の幅を広げてくれます。単にもうかった、損しただけじゃない、得られる部分があります。初心者の方には、小額から分散投資できる投資信託という商品を検討していただきたい。

 お金という存在に対し、さまざまな考え方があります。それは無いよりあったほうがいいのは当然ですが、お金は「媒体」でしかないので、お金で何をするかが大切です。お金そのものに興味がなくても、何かしたいからお金がいるわけじゃないですか。お金が無いと家が建てられない、お金が無いと生活し難い。お金を手に入れたら、お金を手放して何かに替えるわけで、お金で買える何かがあるのだったら、まずお金をかせぐことが重要だと思います。

 そのための有効手段の一つが、投資ということになります。自分で働いてお金を得るのが一番確実だし、またやりがいもある、良いお金の稼ぎ方だけども、それ以外に「投資は、確実にお金を増やすことができる」というのが、経験則やデータなどいろいろなことで分かっています。投資にお金を使うのは重要だと思います。

もっと勉強を

もっと勉強を

 若いころを振り返ると、もっと勉強しておけばよかったと反省しています。遊んでばかりいました。今、都内の大学で教鞭を執っていますが、僕は修士号も博士号も取っていない学部卒ですので先生って呼ばれるのはこそばゆい気がしています。学校入って学び直そうかとも考えます。若いときは勉強の大切さにあんまり気づきませんでしたが、もっと勉強しておけば良かった。

 世の中には、知識が必要なことってたくさんあります。様々な事を学んで若いうちに身に着けておけば、もっともっと応用が利いたのかもしれないと思います。人間って死ぬときになって後悔するんですよね、ああしとけば良かった、こうしとけば良かったって。最大の後悔は、やらなかったことに対する後悔で、やったことへの後悔は、あまりないと考えています。

 やって、こんなへましちゃったよ、失敗したなやらなきゃ良かったなって思うでしょう。人間ってやっぱり失敗を恐れるから、現状維持のバイアスが強い。だから若い人へのアドバイスは、「失敗を恐れるな」と、言いたい。もちろん、言うのは簡単だけど、失敗したらどうしようって皆、思う。だから動けなくて、それによって現状維持になってしまう。

 終末医療の専門家で、今までさんざん死んでいく人の死の瞬間に立ち会ってきたお医者さんが書いた本に「人間は死ぬ間際にやったことより、やらなかったことへの後悔のほうがずっと大きい」と、書いてありました。僕はやらなかったことがいっぱいあるのですけど。その中の一つは、もっと勉強しておけば良かったということ。月並みな言い方になるけど、若い人にはやりたいことをどんどんやって欲しい。今やりたいことがあるのにやらなかったら、絶対後悔する。

ドストエフスキーを原語で

ドストエフスキーを原語で

 若いときに長期プランを立ててやっていくなんてできない。「将来この仕事につきたい、そのためにはこういう大学のこの学部にいってこの学問を修めて、それで自分のなりたい将来に近づいていく、そうやって進路先を決めるもの」と、高校の先生に言われたのですが、「高校生で将来やりたいことなんて分からないよ」と、僕は思ったわけです。だから「ドストエフスキーを原語のロシア語で読みたい」という、それだけの理由で進路を決めました。当時は、将来は何になりたいかなど、まったく考えていませんでした。

 大学卒業後、証券会社に就職しました。当時、証券業界は活気があって、証券のことなど何も分からなかったのですが、おもしろそうだからというだけで飛び込みました。実際にやってみたら、おもしろくなりました。そして、ファンドマネージャーになって自分で運用したいと考えました。次は、アジアの株式市場が伸びてきたので、アジア株をやりたいと。そうこうしているうちに全世界をやる運用があって、国内の金融関係の会社では難しそうなので、アメリカへ行きました。

 アメリカから帰ってきて、日本株からはじめ、すべてグローバルにやって、もう学ぶものがない状態になりました。それで、米大リーグではありませんが、外資系大手に転職し一通りやったから、今度は自分でやりたいって考え、ヘッジファンドを立ち上げました。その場、その場でやりたいことをやってきました。先のことなんて考えてもいない。そしたら今になっているというだけなのです。

 目の前にあることを一生懸命にやり、やりたいことをやらないと後で後悔する。自分で作ったヘッジファンドは、1年もたたないうちに畳まざるを得なかった。ちょうどサブプライムローンの危機が起こり、お金を出してくれたスポンサーが、出資金を引き上げてしまった。自分のファンドを畳まなければいけない状態の中、子どもが生まれて路頭に迷うしかないのかと思ったりしましたけど、それでもやらなかったことより、やったほうがよっぽど良かったと、今でも考えています。「やらない後悔より、やる後悔」は、僕の人生そのものです。

以 上

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広木 隆

広木 隆(ひろき たかし)

マネックス証券株式会社 チーフ・ストラテジスト
上智大学外国語学部卒業。
国内銀行系投資顧問、外資系運用会社、ヘッジファンドなど様々な運用機関でファンドマネージャー等を歴任。
長期かつ幅広い運用の経験と知識に基づいた多角的な分析に強み。2010年より現職。青山学院大学大学院(MBA)非常勤講師。
テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、BSジャパン「日経プラス10」、日テレNEWS24「まーけっとNAVI」、J-WAVE「JAM THE WORLD」等のレギュラーコメンテーターを務めるなどメディアへの出演も多数。

マネックス証券ウェブサイト(https://info.monex.co.jp/report/strategy/index.html)にて、最新ストラテジーレポートが閲覧可能。

マネックス証券株式会社

マネックス証券株式会社

マネックス証券株式会社は、1999年4月に松本大とソニー株式会社との共同出資で設立されました。現在は、日本、米国、香港に個人向けを中心とするオンライン証券子会社を持つ持株会社マネックスグループ株式会社の主力事業として機能しています。口座開設をはじめ、日本株、米国株、投資信託、債券、FX、NISA、iDeCoなどの金融商品の取引をオンライン上で完結するサービスを提供しており、昨今ではレポートやロボアドバイザー、ラップ(投資一任)サービスなど、AIやフィンテックを活用した先進的なサービスの提供も進めています。
社名のMONEXは、MONEYのYをひとつ前に出して、「未来のMONEY。次世代におけるお金との付き合い方をデザインして、お客様に提供していこう。」という意味が込められています。総合オンライン証券として個人投資家へ世界最高水準の金融サービスを提供することを目指しています。

マネックス証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会