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47NEWS

次世代の伴奏者 MONEXな人々

 かつて「お金があれば何でも買える」と、あるベンチャー企業経営者が語り話題になった。彼の発言に「お金があれば、愛情や感謝など人の気持ちまで買えるのか」などという反応がすかさず出た。とかくお金をめぐる話題は難しい。ただ、作家の村上龍氏は「お金があれば幸せになれるとは限らないが、不幸を防ぐことはできる。だから大事なものだ」と強調する。
 そんなお金についてマネックス証券は、気軽に学んだり語ったりする場を提供したいと、子どもから高齢者まで広い世代に向けた講座を2005年から“開講”している。その名も「マネックス・ユニバーシティ」。マネックス・ユニバーシティ長を務める大槻奈那(おおつき・なな)さんに、ざっくばらんにマネックス証券が考えるお金との付き合い方について聞いてみた。

子どもたちの答えに感動

小学生の答えに感動

 マネックス・ユニバーシティでは、開講以来、投資や経済、世の中の動きなどを学ぶ場を提供していきたいと考えてきました。「投資というのは資産を作るための一つの手段であり、みなさんに関係がある」ということをもっと広めたい。給与や財産所得などでお金を得た場合どうするかはいろいろ選択肢がありますが、その一つとして「お金に働いてもらう=投資」という選択があること、その具体的な方法についてお伝えしています。これまでのインタビューで、当社社長の松本が話したように「10万円の投資で世界が見えてくる」ためにも、まずは社会や経済の状況をより深く分析したり、将来を想像する力をつけたりすることが欠かせません。マネックス・ユニバーシティはそのお手伝いができないか、ということで立ち上げました。

 講演は、オンラインでの初心者向けセミナー、会場での女性向けのセミナー、小学生向けの出張講座、大学生向けの講座などを行なっています。先日、小学生向けの講座で、お金の扱い方には「貯金をする」「使ってしまう」それともう一つ「投資」という方法がありますよ、という話をしました。
 授業中の小学生の反応が、非常に良いです。「株式会社」の意味も分からない子どもたちに、ラーメン屋さんを例に説明をしました。「ラーメン屋さんをつくるという目的があったとして、実際にお店をつくること以外に、ラーメン屋さんにお金を投資するという方法があります」、「ラーメン屋さんがそのお金を使っておいしいラーメンをたくさんの人に届ける」、「もし人気が出てお店が大きくなったら、投資をした人には、その分のお金がもらえるかもしれないし、ついでに、月1回ぐらいラーメンを食べさせてくれるかもしれない」といったように。
 そのような説明をして、最初は貯金派だったけれど投資に考えを変えた子もいました。授業が終わった後に、たくさんの子が質問に来るのですが、ある子は「株が平均すると1年間で7%ぐらい上がった」と話したことに対して、「取引できる全部の株のうちの何割が上がったのですか?」と聞きに来てびっくりしました。
 またあるときは、現金100万円のお金の使い方について3つの選択肢を提示したところ、「一つだけに決めると恐いので、いくつかに分けちゃだめですか?」と、リスク分散の考え方を示した子もいました。物価水準が継続的に上昇するインフレーション(インフレ)の説明で、マンション価格の上昇の話をしたら、「じゃあ、マンションを買って、家賃収入をもらうようにします」と言った子がいた時には感動を覚えましたね。

 子どもだろうが大人だろうが、柔軟な考え方というのは一緒かもしれません。しかし、その子どもたちが今後、社会でお金の教育を受けるというのは、あったとしても大学生のときでしょう。高校生までは、まずはそういうことはやらない。お金の付き合い方を学ぶ場が日本には少なすぎることが、非常に残念だなと思います。

株投資は脳トレになるかも

株投資は脳トレになるかも

 私の最初の投資体験は、大学時代でした。大学の生活費として親から貰ったお金を、高利の定期預金に入れて運用していました。ある時、まとまった金額が必要になる出来事があったのですが、銀行にもう少しの期間預けていると利回りが良かったので、そのまま銀行に預けておいて、親に追加で貰えないかお願いしたんですね。そうしたら渡したお金はどうなったの?と怒られました。あのころは定期預金の利率が高くて、6%ぐらいあったと思います。親に叱られて、泣く泣く定期預金を解約したという苦い思い出です。この経験から得られた教訓は、投資は生活資金ではなく、余剰の資金でやるべきだということです。

 両親は株式投資が好きでした。実家には株関連の書籍が本棚にあったのはよく覚えていますし、家庭の中にも、「投資は普通のこと」という考え方が浸透していました。私も社会人になったころには、今度は余剰資金の範囲内で会社四季報をチェックしながら、高配当の企業に印を付けて、3~4銘柄ちょこちょこ買っていました。80才前後の両親は今でも株式投資をやっています。「勘が鈍るから60才を過ぎたらやめる」と言っていたのですが、どうやら好きなようで続けています。そういう家庭環境でしたので、私にとっても株式投資が身近な存在だったと思います。今でも、父親から「何でこの株価はこんなに下がっているのか」という電話が来ることもあります。両親にとっては“脳トレ”になっているようです。投資は“ぼけ”予防につながっているのかもしれません。

女性が「インフレ負け」しないためにも

女性が「インフレ負け」しないためにも

 このように、私にとって投資をするきっかけは家族内で身近に投資の話題が出ていたからですが、一般的に女性にはそういう機会が少ないのではないでしょうか。毎日、食品などの価格の動きを見ている主婦の方々は、経済の動きに関しても鋭い感覚をもっていることが多いと指摘する人もいます。だからといって、投資をする方が多いわけではない。今は少し変わってきているかもしれませんが、どうしても女性がお金儲けに関する話をすることに男性側が引いてしまうのではないかと感じます。結果的に、女性は投資の実体験、成功体験を聞く場が少なく、投資を身近に感じないのではないでしょうか。これだけ女性が社会に進出して、女性の労働参加率が高くなっているのにもかかわらず、給与等で得たお金をどうするかで考えると、投資する男性に比べて、投資していない女性の方が長い目でみて「インフレ負け」するのではないでしょうか。

 長い目でみて「インフレ負け」をするとはどういうことかというと、そもそも投資というものがまったく分からないと、限られた選択肢の中でお金をどうするかを決めなければなりません。つまり、投資で運用するという重要な選択肢を一つなくしてしまうわけです。今のように、物価上昇率がゼロより上の状態で、かつ普通預金の利率がほぼ0%という状態だと、想定的には、お金の価値は日々、目減りしているわけです。この約20年間は、ほぼほぼインフレとは反対のデフレーション(デフレ)だったので、預金をしておいたほうが有利でした。日本は世界でもまれに見る長期間デフレの国ですから、そういう状況では、投資をしないで貯金をするほうが合理的な判断で正しかったわけです。
 しかし、この1~2年ぐらいは違ってきています。ゆるやかにインフレになっており、預金だけの運用というのは、自分の資産を減らしてしまっているということになります。しばらくはこの状態が続くのではないかと見ています。資産の一部でも、インフレに対して抵抗力が強いものにお金を預け運用するということが、大切な資産の自己防衛につながるでしょう。

 では、初心者の方々が投資する場合、重要なのはどういうことでしょうか。やはり「分散」がキーワードだと思います。いろいろなところに分散するという「お金の置き場所の分散」、まとめて一気に動かすのではなく相場の動きに応じてタイミングを分散させる「お金を預ける時期の分散」、投資する先を分散させる「お金を投資する地域の分散」など、いろいろな分散の仕方があります。将来というものは誰にとっても不確実ですから、いろいろなところに分けておくのが良いです。初心者は、比較的リスクの高い信用取引など、無理をしないことも重要です。

正しい情報を冷静にお伝えしたい

情報を冷静にお伝えしたい

 マネックスは、今年1月末に、「マネックス仮想通貨研究所」の創設を発表し、私が研究所長に就任しました。仮想通貨については、情報がものすごく錯綜しています。多くの人が関心を持ち、新しい投資先ともいえる仮想通貨に対して、情報の質を一つの強みとしているマネックスとして、できる限り正確な情報を伝えていきたいという思いでスタートしました。

 先般の、日本の仮想通貨取引所から仮想通貨が不正に外部に送金された事件は世間を騒がせたことは記憶に新しいと思います。もちろん、セキュリティーや顧客資産の分別勘定とか投資者保護の観点など、盗まれた側の責任が問われる部分もあるでしょう。ただ、本来はこの問題で一番追及されるのは不正を行った犯人のはずです。取引所の体制が不十分だった部分と不正という犯罪の部分とは、整理して考えるべきです。仮想通貨の現状やこれからどのように成長するのかなどを、皆さんに冷静にお伝えしたいと思います。

 マネックス・ユニバーシティの話題に戻りますが、今後はもっと、高齢の方々へのサービスを充実させていきたいと考えています。インターネットに親しむ高齢の方々が増えてきているので、我々のようなネット証券も、遺産相続などのお悩みにもお答えできるような仕組みを作っていきたいです。一方、子どもたちに向けても、先ほど紹介しました学校への出前講座のような小規模な形だけでなく、もう少し大掛かりな仕組みがあればと検討しています。各世代でのニーズを改めて考え、よりお客さまに寄り添うような活動に取り組みます。

 私にとってお金とは? それを考えないで済めば一番良いですけれど、そういきません。お金の話をするのは卑しいと遠ざけるのではなく、お金にはさりげなく自分のそばにいてくれる存在であって欲しい。そうなってもらうためにも、私たちはもっとオープンにお金について考える場が必要ではないでしょうか。

大槻 奈那

大槻 奈那(おおつき なな)

マネックス証券 チーフ・アナリスト
東京大学文学部卒、ロンドン・ビジネス・スクールでMBA取得。
スタンダード&プアーズ、UBS、メリルリンチ等の金融機関でリサーチ業務に従事、各種メディアのアナリスト・ランキングで高い評価を得てきた。2016年1月より、マネックス証券のチーフ・アナリストとして国内外の金融市場や海外の株式市場等を分析する。
現在、名古屋商科大学 経済学部教授を兼務。東京都公金管理運用アドバイザリーボード委員、貯金保険機構運営委員、財政制度審議会分科会委員。
テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」等、メディアへの出演も多数。

マネックス証券ウェブサイト(http://www.monex.co.jp)にて、最新レポートが閲覧可能。

マネックス証券株式会社

マネックス証券株式会社

マネックス証券株式会社は、1999年4月に松本大とソニー株式会社との共同出資で設立されました。現在は、日本、米国、香港に個人向けを中心とするオンライン証券子会社を持つ持株会社マネックスグループ株式会社の主力事業として機能しています。口座開設をはじめ、日本株、米国株、投資信託、債券、FX、NISA、iDeCoなどの金融商品の取引をオンライン上で完結するサービスを提供しており、昨今ではレポートやロボアドバイザー、ラップ(投資一任)サービスなど、AIやフィンテックを活用した先進的なサービスの提供も進めています。
社名のMONEXは、MONEYのYをひとつ前に出して、「未来のMONEY。次世代におけるお金との付き合い方をデザインして、お客様に提供していこう。」という意味が込められています。総合オンライン証券として個人投資家へ世界最高水準の金融サービスを提供することを目指しています。

マネックス証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会