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PR特別企画 夢舞台でアスリートの躍動感を活写 次世代カメラ「EOS R3」が遂げた進化 Part2

 ほぼ無観客という異例の開催となった東京2020オリンピック。来場できない世界中の観衆に代わり、最高の瞬間を記録し伝えるプレッシャーはいつも以上に報道カメラマンたちにかかっていた。そんな彼らを、開発中の次世代フルサイズミラーレスカメラ「EOS R3」が影で支えていた。

 全2回にわたってEOS R3の実力について迫る本企画。第1回では、東京2020オリンピックで自転車競技の撮影を担当した一般社団法人共同通信社の報道カメラマン・尾形祐介さんと、キヤノンマーケティングジャパン株式会社で商品企画を手がける津幡圭佑さんに、EOS R3の進化や現場での使用感を伺った。第2回では、体操競技を担当した一般社団法人共同通信社の報道カメラマン・山内大輝さんを取材。EOS R3の秘められた性能とは――

EOS-1D X Mark IIIとの併用も視野に入れたスムーズな操作感

一般社団法人共同通信社の報道カメラマン・山内大輝さん

 慣れないカメラを使用しての撮影は怖い。それがオリンピックの撮影ともなると、その不安は計り知れない。しかし、EOS R3が手に馴染むまでに多くの時間は必要なく、競技の撮影のほとんどをEOS R3でこなしたと山内さんは話す。EOS R3はミラーレスカメラのRシステムで、初めてのグリップ一体型となる。EOS-1D X Mark IIIとボタン・ダイヤル操作がほぼ同一で、バッテリーも共有可能。なぜならEOS-1D X Mark IIIとの併用も考え生み出されたカメラだからだ。防塵防滴性もEOS-1D X Mark IIIと同等で、スムーズに測距点が動かせるスマートコントローラーも搭載されている。

操作性を考慮した縦位置グリップ一体型のEOS R3

 「EOS R3は、EOS R5とEOS-1D X Mark IIIの2台の良さが合わさっている印象です。いつもはEOS-1D X Mark IIIを使用しているのですが、すぐに手に馴染み大活躍してくれましたよ。普段どおりのやり方で撮影でき、良い意味で新しいカメラを使っている感覚はありませんでした。体操競技は縦の動きが頻繁にあり、カメラを縦位置に持ち替えて撮影する機会も多いのですが、グリップ感も秀逸。縦位置撮影用のボタンやダイヤルもあるので、すごく使いやすかったです」

激しい動作でも被写体をガッチリ追尾

激しい動作でも被写体をガッチリ追尾

 より高得点を目指して複雑で速い動きが技に取り込まれる体操競技。「ウルトラC」と言われたのも今は昔。劇的に進歩した現代の体操競技の難度は、C難度より7段回上のJ難度「後方抱え込み2回宙返り3回ひねり(バイルス2)」まで存在する。人間業とは思えない演技をする体操選手の撮影は、困難を極める。それゆえに、山内さんはEOS R3の飛躍した捕捉性能を存分に感じられたと振り返った。

 「ミラーレスカメラは被写体の捕捉を強みにしている部分があるので、以前から体操競技との相性が良いと思っていました。体操競技は選手が1人ずつ交代しながら行われ、複数人が入り乱れるわけではありません。簡単にお伝えすると、1人の選手を追い続けていれば、捉えたい瞬間が撮影できます。EOS R3は被写体の追尾性能が高くて驚きました。EOS R5と比べても格段に良くなったと感じます。鉄棒での離れ技や床運動の跳躍の際に、選手がひねったり回転していたりする瞬間は、ピントが外れやすいんです。でも、EOS R3に関しては顔が反対を向いているときでも頭部を認識し、追尾してくれましたね。助走で走ってくるときなどは、ほぼすべて顔にピントが来ていました。カメラ任せで撮影していたのですが『これ良い写真だね。すごくピントきてるね』と言われて……。カメラマンとしてはなんだか複雑な気持ちになりましたよ(笑)」

一瞬見える表情を撮り逃さない高速連続撮影

一瞬見える表情を撮り逃さない高速連続撮影

 0.1点の失敗で勝敗を分ける体操競技の撮影は、演技の始まりから終わりまで緊張が途切れない。技が成功したシーンはもちろんのこと、選手が失敗して器具から落ちたりラインオーバーしたりする瞬間も、ニュース写真として求められるからだ。そんな失敗の許されない重圧のかかる撮影を、山内さんはEOS R3の最高約30コマ/秒の高速連続撮影で臨んだ。

 「床運動では、選手が回転する技を繰り出している最中に顔が見えないことも多いんです。選手の顔が見える瞬間を狙ってシャッターを押すことは不可能なので、連写をしながら動きをフレームに収めていく作業になります。だから、高速連写できるとそれだけ顔が見えている瞬間が、より多く撮れますね。R3はトラッキング性能が非常に高かったこともあり、ファインダー撮影で最高約16コマ/秒のEOS-1D X Mark IIIと比べて使えるカットが増えました」

高感度での低ノイズと手ブレ補正で悪条件下でも思いどおりに

EOS R3 RF24-70mm F2.8 L IS USM装着時

 開会式では花火が打ち上げられるオリンピックスタジアムをヘリから狙った山内さん。その際使用したカメラもEOS R3だ。世界最高峰の手ブレ補正効果も相まって、スムーズな撮影が実現したという。また体操競技の撮影では、速い動きを捕らえるために高感度撮影が必須だとも話す。

 「ヘリで上空から会場を撮影したのですが、ISO6400でも写真にノイズが出ずきれいでした。ISO感度を上げすぎず撮れたのも、手ブレ補正が効いていたからだと思います。レンズは200mmを使用して、シャッター速度は1/80秒で撮影したのですが、使えるコマが何枚かありました。体操競技では、選手の動きをブレなく撮影するためシャッター速度を1/1600秒以上に設定しています。国際的なスポーツ大会は照明が明るくISO1600前後で撮れますが、国内大会だと会場の照明がそこまで明るくありません。シャッター速度をかせぐために、ISO6400〜8000で撮影することもありますよ」

無観客という特殊な環境下でも発揮されたEOS R3の可能性

東京2020オリンピックで体操競技を撮影した山内さん
©2021 – IOC/Kyodo News - All rights reserved. Tokyo 2020

 「体操競技は撮り方次第でいろいろな画が撮影できるのが魅力。広角レンズで器具と一緒に撮ると面白い写真表現になりますし、『この角度がかっこいいな』『高く跳んでるのがわかるな』と、会場を比較的自由に移動して画作りができます。スポーツ撮影では決められたフォトポジションにじっととどまって撮影する競技も多いのですが、体操競技ではそれができる。東京2020オリンピックで共同通信社は国内公式通信社として比較的自由に動いて撮影することができたので、そういった撮影にもチャレンジしてみました」

 山内さんは体操競技の撮影の醍醐味についてそう語った。また、今回の特殊な条件下だからこそ気づいたこともあると続ける。

 「無観客で歓声もないため、今まで耳に入って来なかった選手の息づかいや、器具の軋む音が聞こえてきました。感覚としては、選手とメディアが一対一という感じ。選手とよく目が合うんですよね。選手は我々の動きもよく見えているし、普段以上に視界に入らないよう気を付けて撮影しました。会場がかなり静かなので、シャッター音もいつも以上に目立ちます。そういう意味で、ミラーのないEOS R3はシャッター音が小さく、設定でシャッター音を消すこともできるので、選手にとっても優しいですよね。選手の足元でガシャガシャ音が鳴ると邪魔になりますから」

 写真は撮る人がいなければ、完成しない。また被写体もしかりだ。EOSシリーズは撮る人にとっても、撮られる人にとっても、ストレスをなくすべく進化を繰り返してきた。全2回にわたる取材で見えてきたのは、EOSシリーズの開発者たちのそんな思いだった。EOS R3は今持てる技術も魂も、すべて結集させた一台と言えるだろう。

キヤノンは東京2020大会ゴールドパートナー(スチルカメラおよびデスクトップ・プリンター)です。

(執筆・撮影:杉野正和)

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