原子炉土台、広範囲損傷 東電、耐震性再評価へ

東京電力福島第1原発1号機の原子炉圧力容器の土台の内側の様子。棒状のものが突き刺さったようになっている=29日(国際廃炉研究開発機構提供)
東京電力福島第1原発1号機の原子炉圧力容器の土台の内側の様子。棒状のものが突き刺さったようになっている=29日(国際廃炉研究開発機構提供)
2023年03月30日
共同通信共同通信

 東京電力は30日、福島第1原発1号機の原子炉格納容器内調査で、原子炉圧力容器を支える円筒状の土台の内壁が広範囲で損傷していることが分かったと発表した。29日に水中ロボットが撮影した映像では、コンクリートがなくなり鉄筋がむき出しになっていた。東電は得られたデータを基に耐震性を再評価する。

 29日は土台の開口部から遠隔操作の水中ロボットを内部に進入させ、内径5メートルの土台の半周程度を撮影したところ、全域で高さ約1メートルにわたって損傷が広がっていた。壁の厚さは約1.2メートルあるが、損傷がどこまで進んでいるかは不明。事故発生直後に溶け落ちた高温の核燃料が、コンクリートを溶かしたとみられる。

 30日は残りの半周を調査しており、後日結果を公表する。土台内側が全周損傷している可能性も出てきた。

 土台は重さ約440トンの圧力容器を支えており、倒壊する恐れも指摘されているが、東電は横からも支えている構造のため、その恐れはないとしている。

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