後遺症の多くは1年で回復 コロナ軽症者を分析
2023年03月25日

新型コロナウイルスに感染すると息切れや疲労感といった症状が長く続くことがある。感染時に軽症だった人に限って言えば、こうしたコロナ後遺症の多くは1年後までに元の状態まで回復するケースが多そうだとする研究結果を、イスラエルのチームがまとめた。

チームは2020年3月から21年10月にコロナのPCR検査を受けた191万人のうち、陽性だったが軽症で入院しなかった30万人と、陰性だった30万人の健康状態を1年間にわたって比較し、さまざまな後遺症のリスクを統計的に分析した。
すると嗅覚異常や味覚異常といった症状は1年以上も続く例があることが判明。集中力や記憶力の低下、呼吸困難や疲労感、動悸(どうき)といった後遺症も長引くが、1年ほどたつとリスクは低下した。脱毛やせき、胸や体の痛みなどは半年ほどで落ち着く傾向がみられた。
分析対象となった期間には従来株に加えてデルタ株などが流行したが、変異による後遺症リスクには大きな違いがみられなかった。
また子どもがコロナに感染した後でへんとう炎や結膜炎を発症するリスクが高いことも分かった。チームはコロナ感染によって細菌やウイルスに対する免疫機能が影響を受けた可能性があるとみている。
研究は英医学誌BMJに発表した。

エルサレムの診療所で新型コロナワクチン接種を受ける男性=2021年8月(共同)
イスラエルに住む191万人の大規模医療データを分析。ワクチンを接種した人は接種しなかった人に比べ、呼吸困難の後遺症リスクが低くなることも示された。チームは「コロナがもたらす長期的な健康影響について医療者や患者がより良く知るのに役立つ」としている。
チームは2020年3月から21年10月にコロナのPCR検査を受けた191万人のうち、陽性だったが軽症で入院しなかった30万人と、陰性だった30万人の健康状態を1年間にわたって比較し、さまざまな後遺症のリスクを統計的に分析した。
すると嗅覚異常や味覚異常といった症状は1年以上も続く例があることが判明。集中力や記憶力の低下、呼吸困難や疲労感、動悸(どうき)といった後遺症も長引くが、1年ほどたつとリスクは低下した。脱毛やせき、胸や体の痛みなどは半年ほどで落ち着く傾向がみられた。
分析対象となった期間には従来株に加えてデルタ株などが流行したが、変異による後遺症リスクには大きな違いがみられなかった。
また子どもがコロナに感染した後でへんとう炎や結膜炎を発症するリスクが高いことも分かった。チームはコロナ感染によって細菌やウイルスに対する免疫機能が影響を受けた可能性があるとみている。
研究は英医学誌BMJに発表した。