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政治

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新型コロナで憲法改正論議停滞 首相公約の20年改憲、困難に

2020.5.3 0:00 共同通信

 世界的に広がる新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、日本国憲法は3日、1947年の施行から73年を迎えた。安倍晋三首相は憲法改正への意欲を堅持し、9条や「緊急事態条項」新設を巡る議論活性化を期待する。だが、首相の意をくむ自民党と、コロナ対応を最優先とする主要野党の溝は深く、今国会の議論は停滞。来年9月に迫った首相の自民党総裁任期中の改憲実現は事実上困難な情勢となった。

 首相は3年前の2017年の憲法記念日に、20年の改正憲法施行と9条への自衛隊明記を提起した。17年衆院選、19年参院選でも改憲を訴えた。

 一方で立憲民主党などの野党は首相ペースの改憲論議を警戒。衆参両院の憲法審査会の実質議論は17年5月以降の3年間で計12回にとどまり、条文を巡る具体的議論には至っていない。

 20年中の改憲原案作成を目指した自民党のシナリオは崩れ、幹部は「首相が改憲にこだわって強力に進めない限り、今の総裁任期中の実現は諦めるしかない」と見通しを示す。無理に改憲案を策定しても「国民投票で過半数の賛成は得られない」(衆院憲法審関係者)と悲観論もくすぶる。

 安倍政権下の改憲に前向きな改憲勢力は参院で、国会発議に必要な3分の2以上の議席に届いていない。発議から国民投票までには60~180日間が必要。来年夏は連立政権を組む公明党が重視する東京都議選があるほか、1年延期となった東京五輪・パラリンピックの準備とも重なり、自民党内では改憲発議を近接させるのは難しいとの見方が強い。

 新型コロナが拍車を掛けた。二階俊博幹事長は3月「こういう時に改憲を持ち出すのは適当でない。どさくさな感じがある」と拙速を戒める。

 自民党改憲案の緊急事態条項は、大災害時の私権制限につながる内閣権限強化を盛り込んでいる。首相は4月7日の緊急事態宣言発令時、国会で「国家や国民がどのような役割を果たして国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは、極めて重く大切な課題だ」と訴えた。