身近に戦争、生活は続く ウクライナ首都と近郊

 早朝、集合住宅がミサイルで攻撃され現場付近で不安げに座り込む女性。つかの間の平穏は突如として破られる=2022年6月26日、ウクライナの首都キーウ(共同)
 早朝、集合住宅がミサイルで攻撃され現場付近で不安げに座り込む女性。つかの間の平穏は突如として破られる=2022年6月26日、ウクライナの首都キーウ(共同)
2022年08月25日
共同通信共同通信

 ロシアの侵攻が長期化する中、ウクライナの首都キーウ(キエフ)や近郊は以前の活況を取り戻しつつある。飲食店はにぎわい、がれき撤去にいそしむ住民も目立つ。一方で今なおミサイル攻撃があるのも目のそらしようのない現実だ。戦争を身近に感じつつ、生活は続く。

 似顔絵描き、ドラム演奏、パントマイム…。キーウ中心部の大通りに文化の薫りが戻ってきた。店舗は軒並み営業を再開し、買い物客は忙しげだ。

 大通りとつながる広場では、約千人が沈痛な表情を浮かべていた。対ロ関係を重視する政権を倒した2014年の「マイダン革命」で名をはせた若者が東部の前線で戦死した。その追悼式だ。

 「ウクライナに栄光を」。シュプレヒコールの背後で空襲警報が鳴り響くが、避難する人はいない。「ロシアはもはや逃げ惑うわれわれを見ることはできない」。公共放送プロデューサーのウォロディミールさん(36)は強調した。

 家屋が多数破壊された近郊のイルピンでも復興が急ピッチで進む。大学生ダリーナさん(17)はがれき撤去のボランティア。「少しでも助けになりたかった」と崩れたれんがを運び出していた。

 避難先から戻る動きも一層強まる。イルピンに戻った7歳の双子、イリヤ君とウラジスラフ君は寝台列車を転用した仮設住宅に入居したばかり。ただ、自宅のあった地区からはやや離れており「また一から友達をつくらなくちゃ」。

 そう語る2人がボールを蹴って遊んでいると、同年代の男の子が近寄ってくる。いつの間にか、小さなサッカー選手は3人になっていた。(写真 矢島崇貴・共同通信写真部、文 菊池太典・ナイロビ支局長)

*写真・記事の内容は、2022年6月27日までの取材を基にしたものです。