×
メニュー 閉じる メニュー

船頭がプラごみ問題啓発 京都・亀岡の保津川下り

2021.9.23 9:21 共同通信

 京都府亀岡市はプラスチック製レジ袋の提供を禁止する全国初の条例を1月に施行し注目された。そのきっかけとなったのは観光名物「保津川下り」の船頭が15年以上前に始めた川のごみ拾いだった。コロナ禍で乗客が減る中、漂着ごみの現状を伝える乗船ツアーも人気を集めている。

 「これを見て恥ずかしくないのですか」。保津川遊船企業組合の代表理事豊田知八(とよた・ともや)さん(55)は2002年、外国人客にそう声をかけられドキリとした。亀岡を出発する川下りは嵐山までの雄大な峡谷が魅力だが、漂着したレジ袋やペットボトルなどのプラごみが川の景観を台無しにしていた。

 これを機に豊田さんは船頭仲間と2人でごみ拾いを始める。当初は「きりがない」と冷めた目で見ていた先輩船頭にも根気よく活動を広げ、07年には保津川の環境保全に取り組むNPOを設立した。定期的な清掃のほか、地図上にごみの場所を表示して可視化するアプリを制作し、市民と問題を共有できるようにした。

 活動は自治体も動かした。「川のごみは海に流れる。海底に沈めばもう回収はできない」。保津川を通じて高まった市民のごみ問題への関心が、内陸部の自治体で初めて開催された「海ごみサミット」につながった。亀岡市は18年にプラごみを全量回収し資源循環を目指す「プラスチックごみゼロ宣言」をまとめた。

 清掃活動でいまも船がごみでいっぱいになる。乗船ツアーでは現状を包み隠さず見てもらう。豊田さんは「使い捨てプラが増えすぎている。管理できないごみを減らす意識が大事」と話した。

(共同=矢島崇貴

*写真・記事の内容は、2021年6月30日までの取材を基にしたものです。