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赤く染まる新疆 ウイグル族の同化進む

2021.8.20 12:39 共同通信

 真っ赤な中国国旗と毛沢東(もう・たくとう)の肖像を背に、ウイグル族の踊り子は精いっぱいに喜びを表現した。中国共産党公認の取材ツアーで5月に訪れた新疆ウイグル自治区。大半がイスラム教徒の少数民族ウイグル族に対する同化政策でイスラム文化は色あせ、党のシンボルカラーばかりが目についた。

 シルクロードのオアシス都市として栄えた自治区南部のホータン地区にある中学校。書道の授業でウイグル族の生徒らが、ぎこちない手つきで毛筆を握り、漢字とウイグル文字を練習していた。

 中国政府は漢族と少数民族の共同体意識を育てるため中国語教育を重視。以前はウイグル語しか話せない住民も多かったが、ウイグル族の女子生徒(16)は「母国語を使うのは当然でしょう」と流ちょうな中国語で話した。

 西部カシュガルの縫製工場では「民族団結は自分たちから」との横断幕の下、ウイグル族らが黙々と作業していた。副工場長は「強制労働など、あり得ない。彼女たちの顔を見れば分かるでしょう」と強調。しかし従業員の表情から感情はうかがえなかった。

 報道陣を乗せたバスの車窓からは「党創建100周年を熱烈祝賀」といったスローガンが絶え間なく流れるように見える。沿道に並ぶくるみの木の陰には多くの監視カメラが潜んでいた。

 区都ウルムチ市中心部の国際大バザールで案内役のウイグル族の20代女性にイスラム教徒かと問うと心外そうに答えた。「私は共産党員です!」(写真 八田尚彦・共同通信中国総局写真映像記者、文 大熊雄一郎・中国総局記者)

*写真・記事の内容は、2021年6月9日までの取材を基にしたものです。