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光沢放つ桜の五輪トーチ 職人たちが技術をつなぐ

2020.5.25 14:01 共同通信

 ギリシャで採火後、吹き荒れる強風の中、到着した東京五輪の聖火。日本人第1走者の野口みずきさんが掲げた“桜のトーチ”は、国内リレーに合わせて着々と準備されている。いくつもの工程に分かれ、多くの職人たちがバトンをつないで作り上げるトーチ製造現場を訪ねた。

 名古屋市の押し出し加工の工場では熱したアルミを金型に入れ、圧力をかけ押し出す作業が行われていた。東日本大震災被災地の仮設住宅の廃材も再利用されている。成形された切断面には桜の花びらの形が現れた。

 次の工程を託された関東地方などの加工メーカーでは押し出されたアルミをトーチの形に整え、研磨する。磨き上がったトーチを受け取った東京都内の町工場では湯気が上がる中、染料の中へ。「桜ゴールド」色に輝くトーチを手に、宮城県気仙沼市出身の尾畑節男(おばた・せつお)さん(67)は「被災地が元気になれば」と思いをはせた。

 愛知県豊川市の新富士バーナーでは暗闇の中、炎を見つめ確認する作業員の姿が。試行錯誤を重ね、強い風雨でも消えない設計に仕上げた。

 沿道での観覧自粛など新型コロナウイルスの影響を受ける中でのリレー開始。製造を統括したUACJ押出加工の熊沢朗(くまざわ・あきら)さん(47)は「日本中で気分が落ちている中、テレビ画面越しでも全国を巡る炎を見て元気を出して」と願いを込めた。

(写真と文 篠雄也・共同通信写真映像記者)

*写真・記事の内容は、2020年3月23日までの取材を基にしたものです。