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故郷思い、新たな道へ 南三陸町、親子の9年間

2020.4.20 15:20 共同通信

 東日本大震災から9年。当時、小学校入学を控えていた子どもたちが、まもなく中学校を卒業する。2011年、入学式を終えた頃に撮影した宮城県南三陸町の親子を再び訪ねた。 

 「親への感謝を忘れず、将来に生かしたい」。及川太門(おいかわ・たもん)さん(15)が、卒業文集につづった思いに、父康史(やすふみ)さん(44)が目を細めた。かさ上げ工事が続き、工事車両の行き交う町では通学路は歩けず、子どもたちの遊び場もなかった。「どこへ行くにも送り迎えをした。一緒の時間に育まれた絆はとても強いです」

 康史さんは、野球好きの息子に遠くの強豪校を勧めた。それでも太門さんは残る。「地元の友達と野球を続けて、町を元気に盛り上げたい」

 高橋恒成(たかはし・こうせい)さん(14)はシステムエンジニアに憧れ、情報技術が学べる隣町の高校を目指す。支援で送られたパソコンに夢中になり、今も大事に使う。古里の海や復興の様子を動画で撮り、編集するのが得意だ。「南三陸が好き。でも将来は、都会でITの仕事に挑戦したい」と目を輝かせた。

 旅立ちの季節。被災地の子どもたちは、故郷への思いを胸に、新たな道へと進む。たくましくなったその背中を、親たちが優しく見守っていた。

(写真と文=泊宗之共同通信写真記者)

*写真・記事の内容は、2020年2月13日までの取材を基にしたものです。