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聖書に学び依存克服 岡山の支援施設

2020.4.13 17:08 共同通信

 「もう後悔したくない。二度とここには戻りません」。回復プログラムを終えたギャンブル依存の男性は、教会で十字架を背にして誓った。

 岡山市の山あいに立つ一軒家が、依存症からの回復を支援する団体「ティーンチャレンジ・ジャパン」の拠点だ。さまざまな依存を抱えた人が、依存症を克服したスタッフと1年間の共同生活を送り、キリスト教の聖書を使った講義を通して回復を目指す。代表の木崎智之(きさき・ともゆき)さん(48)によると、米国で約60年前に始まった世界中に広がる活動で、沖縄県にも同様の施設があり再発率の低さが特徴だという。

 キョウスケさん(39)=仮名=がパチンコを始めたのは大学時代。2度目で大勝ちし、のめり込んだ。就職後も休日は閉店まで打ち続け、1日で10万円を使い切ることもあった。やがて勝ち負けに興味はなくなり、ギャンブル自体に快感を覚え目的になっていった。

 依存症は家族などとの人間関係が原因になることも多い。キョウスケさんも両親から愛されずに育った気持ちが強く家族内で孤立した。一方で借金を弁済してもらうなど親がいるからなんとかなるとも思っていた。

 「聖書を読むことに一体何の意味があるのか」。当初は帰ることばかり考えていたが、心に響いた一文を書き出すと、視界が広がった。7カ月かけて聖書を読み通し、書き留めた節は280を超えた。両親への反発心も薄れ、心のよりどころになった。

 プログラムを終えいざ社会に出るとなると、喜びより不安の方が大きい。だがギャンブルで莫大(ばくだい)なお金と時間を無駄にしたと自覚した今「自分を変えられるのは自分しかいない。ここで学んだことです」と力を込めた。(写真と文 矢島崇貴・共同通信写真映像記者)

*写真・記事の内容は、2020年1月22日までの取材を基にしたものです。