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性の不一致悩み、共に祈る インドネシアの性的少数者

2017.9.8 10:00 共同通信

 世界最多のイスラム教徒を抱えるインドネシア。イスラム教で同性愛は禁じられており、同国では性的少数者(LGBT)に対する偏見も根強い。心と体の性の不一致に悩みながら、祈りをささげるトランスジェンダーたちの姿があった。

 「みんな『神様は男と女を創造した』と言うけど、実際には私たちのような人間も存在するわ」。体は男性、心は女性のアスパン・アムリさん(58)は1日5回の礼拝を欠かさない。だが、モスク(イスラム教礼拝所)には行かない。周りの好奇のまなざしが気になるからだ。

 日曜日の夕方、ジャワ島中部ジョクジャカルタの民家にイスラム教の聖典コーランを読む声が響いた。集まった10人は皆トランスジェンダー。毎週開かれるイスラム教の勉強会だ。

 勉強会は共に学ぶだけでなく、同じ境遇の者同士が交流を深める場になっている。「世界で唯一のトランスジェンダーのためのイスラム学校」として国内外のメディアから注目を浴びた。

 勉強会の主催者で自身もトランスジェンダーのトゥリ・サントソ・ヌグロホさん(54)は、近年、国内でLGBTに対する不寛容が高まっていると指摘する。勉強会もイスラム強硬派の抗議を受け、活動休止に追い込まれた時期があった。

 LGBTについては昨年、穏健派とされてきた国内最大のイスラム団体が「人の在り方に反する」と声明を出し、現役の閣僚が「道徳を破壊する」と発言した。

 ヌグロホさんは「本来、他者に寛容なイスラムの教えは差別を許さないはず。私たちにも、良きイスラム教徒として生きる権利はある」と訴える。(写真と文 上松亮介・共同通信写真映像記者)

*写真・記事の内容は、2017年9月8日までの取材を基にしたものです