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収容施設でハンスト拡大 仮放免と再収容繰り返し

2020.2.4 12:05 共同通信

写真連載企画「難民申請者、五輪の陰に」(下)

 強制退去を告げられた外国人を収容する各地の入管施設で、無期限の長期拘束に抗議するハンガーストライキが広がっている。ハンストで衰弱すれば、一時的に解放される「仮放免」の許可を得やすくなるためだ。だが、解放されても2週間で再び収容されるケースが相次ぎ、「命をもてあそんでいる」との批判が高まっている。

 ▽繰り返される収容

 トルコ出身のクルド人デニズさん(40)は東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で6月からハンストを開始。体重が13キロ減った8月、3年2カ月ぶりに仮放免された。だが、日本人の妻とつかの間の家族生活を送った2週間後、再び収容された。先の見えない拘束に絶望、アルミ缶の切り口で手首を切って自殺を図った。一命を取り留めたが、抑うつ状態と診断された。

 デニズさんはトルコで反政府活動に参加、警察から暴行を受け、弾圧を逃れ2007年に来日した。11年に結婚したが、在留資格は与えられず難民認定もされていない。

 ▽再びハンスト

 10月に再び仮放免されたが、2週間でまた再収容。入管職員はデニズさんに言い放った。「五輪が終わればちゃんと出してやる」。デニズさんはいま、再びハンストを続ける。「愛する奥さんに会うにはこれしかない」。

 出入国在留管理庁によると6~9月に全国の施設で198人がハンストを実施。6月には大村入国管理センター(長崎県大村市)でハンストをした男性が餓死。その後、衰弱者に仮放免が認められるケースが増え、拡大した。だが、大半は2週間の仮放免後、再び収容されている。

 難民申請者を支援する大橋毅(おおはし・たけし)弁護士は「2週間での再収容はこれまでなかった」と指摘。入管難民法上、難民申請中は強制送還できないとし、「長期収容で精神的に追い詰め、自発的に帰国を強いる政策は国際法違反。隔離対象からはずし、解放すべきだ」と批判した。

(共同=泊宗之)

 入管収容と仮放免 在留資格がなく、強制退去処分となった外国人は全国に17カ所ある法務省の施設に収容される。本来は送還のための一時的な拘束だが、期限の定めがなく、長期収容が増えている。6月末時点で収容者は1253人で、うち679人が半年以上の収容。拘束を一時的に解く仮放免では、就労が禁止され、無断で県外への移動ができないなど制限がある。仮放免者は数週間から数カ月に1度、入管当局へ出頭、延長が認められなければ、その場で収容される。

*写真・記事の内容は2019年11月29日までの取材を基にしたものです。