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感謝されてうれし涙
訪問介護にも外国人

連載企画「外国人介護の時代へ」3回続きの(下)「筑前煮できたで~」。大阪市に住むフィリピン出身のヘルパー、アマリア・サンペドロさん(52)が訪問先の冷蔵庫にある食材で、素早く和食を作り上げた。「おまけに台所も拭いといたよ」。細やかな気遣いに利用者の顔がほころんだ。日本人男性と結婚し、2003年に来日。介護の仕事は10年になるベテランで関西弁も堪能だ。体調管理やおむつ交換、掃除や洗濯を手際よくこなす。「すごくええ人」「明るくて何でも頼みやすい」と利用者に評判だ。フィリピン人は介護に向いているという声は多い。日本人と結婚し、会話能力に優れる在日フィリピン人向けの養成講座は首都圏中心に相次いで開設された。600人以上がヘルパーの資格を取得した人材派遣会社の「キャリーアップ」(大阪市)の鍬田優一社長は、明るくて家族を大切にする国民性を指摘する。さらに、「語学に個人差はあるが、ハンディを克服しようと彼女たちは懸命に頑張る」と派遣先の様子を語る。需要は高まる一方だという。こうした講座を受けたサンペドロさんも、当初は日本語が分からずトラブルがあった。漢字が読めずに買うべき食材がわからず、利用者とけんかになったことも。「日本人の方がいい」と言われたときは涙がこぼれた。「素直に謝って、勉強してきた」。漢字を電子辞書で調べ、繰り返し書いて練習した。「介護の仕事はしんどいけど楽しい」。苦労があったからこそそう思える。「鳥肌が立って涙が出るぐらい、感謝されてうれしいことがある」。日本の介護現場で働く外国人が今後も増え、その喜びを知ってほしいと話す。17年4月には、これまで施設介護に仕事が限られていた経済連携協定(EPA)の介護福祉士が訪問介護をできるようになった。日本語ができるに越したことはないが、介護に国籍は関係ない。「最初に覚えた漢字は『愛』。一番大事なのは思いやりの気持ちです」と照れ笑いを浮かべた。(写真と文 宮野翔平、泊宗之・共同通信写真映像記者)※写真・記事の内容は、2017年10月15日までの取材を基にしたものです。

共同通信