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収容死、これで最後に
難民申請者が涙の訴え

人手不足を背景に、外国人労働者の受け入れが拡大される中、超過滞在や資格外労働などを理由に在留資格を失い、国外退去を命じられる人が後を絶たない。国外退去になると原則、強制送還まで入管施設に収容される。多くの人は自主的に帰るが、さまざまな事情を抱え、日本にとどまる人がいる。母国で迫害の恐れがある難民。劣悪な条件の職場を逃れ、借金返済のために働く技能実習生。学費が払えずに退学し、負債を背負う留学生…。法務省は彼らを「送還忌避者」と呼び、強制送還を徹底する入管難民法改正案を今国会に提出した。だが、名古屋市の入管施設でスリランカ出身の元留学生ウィシュマ・サンダマリさんが死亡し、不透明な入管行政や乏しい医療体制があらわに。野党や世論は反発、改正案は事実上廃案に追い込まれた。外国人支援者らが批判するのは、国際基準に満たない難民認定や収容の在り方だ。入管の裁量で外国人の人権が侵害されないよう、難民認定専門の独立行政委員会の設置を要求。「労働力に頼る一方で、在留資格を失った場合の保護策は不十分だ」と問題視する。5月、東京都内の寺院で、ウィシュマさんをしのぶ会が営まれた。収容経験のある難民申請中の女性があいさつに立ち、涙ながらに訴えた。「これが最後。外国人の命を、真剣に考えてほしい」<br /> その声は、この国で暮らす私たちに向けられている。(共同=泊宗之)*写真・記事の内容は、2021年6月11日までの取材を基にしたものです。

共同通信