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【コロナで変わる日常】(36)まだ帰れない 実習生、在留の壁高く

2020.10.25 7:06 共同通信

 使い込んだ日本語の学習帳を手に、ベトナム人の元技能実習生グエン・ホアン・アインさん(25)はため息を漏らした。

 4月から出入国在留管理庁がコロナ禍で職を失った外国人実習生に他業種への転職を特例で認めたことで、アインさんも東京都内の食品加工会社で何とか職を得た。だが、在留期限は1年しかない。

 それまでに日本語能力試験と技能試験に合格し、昨年4月に新設された在留資格「特定技能」を取得しなければ日本に残れない。「落ちたら帰国するしかない」。不安を抱えながら、日本語の勉強に追われている。

 2019年に来日、東京ディズニーランドの補修工事をする建設会社で実習生として働き始めた。「夢の国で頑張ってるよ」。母国の両親のため、寸暇を惜しんで汗水を流してきた。

 だが、コロナの感染拡大で状況は一変した。休園決定後の4月、経営が悪化した会社から突然の解雇通告。多額の来日費用が借金として残った。なすすべのなくなったアインさんは知人の紹介で、在日ベトナム人支援のNPO法人に駆け込んだ。寝泊まりしながら職を探し、8月にやっと当面の就労先を確保した。

 コンビニ食材を作る新職場は、従業員の7割が外国人。担当者は「貴重な戦力」と頼る。夜勤で製麺を担うアインさんの月収は20万円で、母国の約5倍。昼夜逆転の生活は楽ではないが、ずっと働きたいと考えている。

 家族を養うための資金をためるまでは、意地でも離れたくない。「日本も外国人の力が必要ならば、安心して働かせてほしい」

(共同=泊宗之)

*写真・記事の内容は2020年9月18日までの取材を基にしたものです。