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【コロナで変わる日常】(34)来夏を思い浮かべて  オリ・パラ組織委の職員

2020.10.25 7:04 共同通信

 この景色を忘れない―。東京五輪開会式が予定されていた7月24日の早朝、閑散とした東京・晴海の選手村に大会組織委員会の国際局部長小林亨(こばやし・とおる)さん(53)はいた。各国の旗がなびく国立競技場へバスで向かう1万人の選手の姿を思い浮かべ、「来年の夏、必ずここへ戻ってくる」と誓った。

 各国・地域のオリンピック、パラリンピック委員会との調整役を担う小林さん。現在は入国前の検査や入国後の隔離措置、競技会場や選手村での感染防止策など各国から不安や要望を聞き取り、どんなコロナ対策ができるのか、選手らが安心して臨める大会を模索する。

 地元長野での五輪をきっかけに、組織委職員として冬季四大会を渡り歩き、招致決定の瞬間にも立ち会った東京大会を集大成と位置付けてきた。

 ところが3月24日、感染拡大で突然の延期発表。中止にならずほっとしたのもつかの間、翌日から「来年は開催できるのか」などの問い合わせが相次ぎ、各国から理解を得るために奔走した。

 前代未聞の大会延期に、組織委内にも戸惑いが広がった。彼らを勇気づけたのは、各国から小林さんの元に寄せられたビデオメッセージ。「東京大会が楽しみ」という選手らの言葉が励みだ。

 6月に再開された国内スポーツイベントは、無観客での開催や入場制限が続く。歓声を上げることも、隣の人と喜びを分かち合うこともできない。「それでも開催することができれば、感動を伝えられると思っています」。小林さんはそう力を込めた。

(共同=篠雄也)

*写真・記事の内容は2020年9月18日までの取材を基にしたものです。