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【コロナで変わる日常】(38) 違いを認め合う
徳島市の「おやこ支援室」

密が避けられない職場で、マスク姿の職員が子どもたちをぎゅっと抱きしめた。徳島市の「おやこ支援室ゆずりは」では発達の遅れや障害のある幼児が、遊びを通して体の動きを学ぶ。違いを認め合える社会に―。代表の太田恵理子(おおた・えりこ)さん(34)はコロナ禍を機に、開設に込めた思いを新たにしている。おなかにいた長男将暉(まさき)君(3)が重度の水頭症と分かったのは妊娠6カ月のとき。職場復帰を目指しても、長時間預けられる場所はなかった。「ないなら自分でつくる」。そう決意すると自分でも驚く行動力で昨年4月、支援室を開設した。経営が落ち着き始めたころ、全国で感染が広がった。参観や面談はオンラインに。衛生管理もできる限りの対策を講じた。それでも「せき込む子を見たが大丈夫?」と不安を口にする親や、退所を選ぶ保護者もいた。6月、施設の関係者が感染疑いでPCR検査を受けた。結果は陰性だったものの、これを機に「今は働けない」と不安を訴える職員がいた。周囲からの偏見も心配の種だった。志の高いスタッフたちだが、感染症への考え方はそれぞれ異なる。「恐れを抱くのは仕方ない。でも感染者をむやみに差別するような社会であってほしくない」互いに監視したり感染した人を責めたりする世の中は息苦しい。「人に厳しければ、いずれ苦しむのは自分。誰にも寛容な方が生きやすい」。子どもたちが歩む社会もそうであってほしいと願う。(共同=矢島崇貴)*写真・記事の内容は2020年9月18日までの取材を基にしたものです。

共同通信