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9月入学、来年導入見送りへ 家庭の負担増、社会的混乱を懸念

2020.5.27 21:49 共同通信

記者会見する菅官房長官=27日午後、首相官邸
記者会見する菅官房長官=27日午後、首相官邸

 自民党の9月入学制に関するワーキングチームは27日の会合で「本年度・来年度など直近の導入を見送るべきという結論に至った」と明記した提言の原案を示した。公明党も同日「拙速な導入を行うことに妥当性は認められない」との提言原案を作成した。いずれも学習機会の保障を優先し、家庭の負担増や社会的混乱を懸念した。政府も慎重姿勢を強め、来年の導入を見送る方向となった。

 両党は近く最終的な提言をまとめ、週明けに首相官邸へ提出する。9月入学制は新型コロナウイルスの影響による休校長期化を受け、官邸が4月下旬から検討に着手した。ただ緊急事態宣言の解除による学校再開の動きもあり消極論が広がった。

 菅義偉官房長官は27日の記者会見で「学校再開の状況を見極めつつ、さまざまな選択肢を慎重に検討する。拙速な議論は避けるべきだ」と述べた。官邸筋は「政府は与党に足並みをそろえる」と強調した。政府は7月中に方向性を示す見通しだ。

 自民党チームの提言原案は9月入学の意義を認めた上で(1)多くの制度・慣行変更に伴う心理的・経済的負担(2)人数が増加する学年への対応(3)幼稚園・保育園の在園児の学年分断―を課題として列挙。「導入するとしても、国民的合意や実施に一定期間を要する」と指摘した。会合で来年の導入に否定的な意見が大勢を占めた。

 公明党プロジェクトチームの原案も「優先すべきは学びの保障だ」と指摘し「メリットを大きく上回るデメリットやコストが生じる」と記した。

 官邸と関係省庁は来年9月実施の場合の課題を整理している。文部科学省は(1)来年9月の一斉実施(2)5年かける段階実施―の2案を示した。同省の試算では、移行経費は少なくとも5兆円に上る。