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アベベが初の2連覇 1964年10月21日 「再現日録 東京五輪の10月」(21)

2020.10.21 8:00 共同通信
1964年10月21日、マラソンで史上初の2連覇を飾ったエチオピアのアベベ選手
1964年10月21日、マラソンで史上初の2連覇を飾ったエチオピアのアベベ選手

 

 東京五輪のマラソンで21日、エチオピアのアベベ選手が五輪史上初の2連覇を成し遂げた。円谷幸吉(つぶらや・こうきち)選手が3位になり、国立競技場に初めて日の丸を揚げた。

 マラソンは、68選手が参加して甲州街道を調布市で折り返す42・195キロで争われた。アベベ選手は、独走のまま2時間12分11秒2の世界最高タイムで快勝した。ローマ大会ははだしで走ったが、東京はシューズを履き、ゴール後も「まだ走れる」と余裕を見せた。

 円谷選手は2位で国立競技場に帰ってきたが、ヒートリー選手(英国)に抜かれた。しかし、日本の陸上では戦後初のメダル獲得だった。

 体操の女子個人総合で21日、チェコスロバキアのチャスラフスカ選手がソ連勢を破って新女王に輝いた。優美な演技で人気を博し「東京の恋人」と呼ばれた。団体総合では、日本が統一ドイツを制して3位、初めてメダルを手にした。

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 円谷選手は悔恨が残った。続くメキシコ五輪の金メダル獲得を「国民との約束」と胸に刻んだ。自衛隊員の同選手は、懸命の練習を重ねる。だが、故障などもあり、心身共にすり切れてメキシコ五輪の年が明けた1968年1月、自ら命を絶った。両親に宛て「幸吉は、もうすっかり疲れ切ってしまって走れません。何卒お許し下さい」との遺書が残された。(国名や組織・団体名、競技名、肩書などは当時の呼称に従っています。 共同通信=小沢剛)

 

1964年10月21日、マラソンで3位になり、陸上では戦後初のメダルを手にする円谷幸吉選手
1964年10月21日、マラソンで3位になり、陸上では戦後初のメダルを手にする円谷幸吉選手