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池田首相、辞任を表明  1964年10月25日 「再現日録 東京五輪の10月」(25)

2020.10.25 8:00 共同通信
1964年9月9日、国立がんセンターに入院する池田勇人首相(右)
1964年9月9日、国立がんセンターに入院する池田勇人首相(右)

 

 国立がんセンターに入院中の池田勇人首相は25日、療養に専念するため「首相の地位を辞任する」との声明を発表した。首相は同日午前、担当医から「相当期間(2~3カ月)の療養が必要」との説明を受けていた。

 東京五輪の閉会式翌日の急な退陣表明。秘書官らによると、池田首相は前夜閉会式を病室のテレビで見ていた際に、電光掲示板に映し出された「SAYONARA」の言葉に見入り「さよなら。いい言葉だ」とつぶやいたという。

 池田首相は9月9日に「慢性喉頭炎」で同センターに入院。喉の病巣に乳頭腫があり、いわゆる前がん状態と診断されていた。

 吉田茂元首相の側近だった池田氏は1960年、首相に就任。「所得倍増計画」を打ち出し、戦後の高度経済成長に大きな役割を果たした。

 一方、東京・羽田空港では25日、東京五輪に参加した各国選手団、役員らが特別機などで、次々と帰国の途についた。

 北海道の各地は24日夜からかなりの雪が降り、25日午前には札幌市で30センチの積雪となった。10月としては記録的積雪。

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 池田首相の退陣表明を受けて、自民党は11月、後継総裁に佐藤栄作氏を指名した。池田氏は退陣の翌65年8月に死去。退陣時点で喉頭がんであることは分かっていたが、病名は伏せられた。(国名や組織・団体名、競技名、肩書などは当時の呼称に従っています。 共同通信=軍司泰史)

 

1964年10月25日、帰国のため羽田空港で旅客機に乗り込む各国選手団
1964年10月25日、帰国のため羽田空港で旅客機に乗り込む各国選手団