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「夢の超特急」開業   1964年10月1日 「再現日録 東京五輪の10月」(1)

2020.10.1 8:00 共同通信
1964年10月1日、「夢の超特急」と呼ばれた東海道新幹線が開業した。東京駅で行われた「ひかり1号」の出発式
1964年10月1日、「夢の超特急」と呼ばれた東海道新幹線が開業した。東京駅で行われた「ひかり1号」の出発式

 

 秋空に5色のスモークで描かれた五つの輪は、「戦後」を象徴する光景だった。平和の祭典・東京五輪は、敗戦から19年が過ぎ、人々が高度成長時代に歩み入った中で開かれる。一方、五輪の後景では、世界史的な重大事件も相次いだ。日本と世界の転機となった1964年10月の31日間を再現する。(31日続き。国名や組織・団体名、競技名、肩書などは当時の呼称に従っています)

 

 1日午前6時。東京駅から下り「ひかり1号」が、新大阪駅からは上り「ひかり2号」が同時に滑り出し、東海道新幹線が開業した。

 営業列車として世界最速、時速200キロを超すスピードで両駅間を4時間で結ぶ。従来の特急「こだま」より2時間半も縮める「夢の超特急」だ。日本の新たな大動脈の誕生は、10日に始まる東京五輪と併せて、国民に新時代の到来を印象づけた。

 戦前の「弾丸列車」構想を基に、国鉄が総工費約3800億円を投じて着工から5年半ほどで完成した。列車制御など近代システムも導入された。1日午後に運行中の上り列車で急病人が出たが、列車無線で総合指令所と連絡を取り静岡駅に緊急停車。患者を搬送する連携プレーが驚きを持って報道された。

 東京五輪に参加する410人の日本選手団の結団式が1日、東京都内で行われた。赤いブレザー、白いスラックス(スカート)姿で、日の丸が旗手の福井誠(ふくい・まこと)選手に渡された。午前中には米国競泳チームが到着した。

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 五輪に合わせて東京の交通インフラが大急ぎで整備される。首都高速道路は突貫工事で1962年から順次開通したが、古くからの堀や運河の上を通すなど景観面で問題を残した。羽田空港と都心を結ぶ東京モノレールは64年9月に開業した。(共同通信=小沢剛)

(※1枚目の写真は、白黒写真を人工知能(AI)でカラー化しました。実際の色合いと同じとは限りません)

 

1964年10月1日、東京都内で行われた日本選手団の結団式
1964年10月1日、東京都内で行われた日本選手団の結団式