メニュー 閉じる
全国

全国

編集部こぼれ話

47NEWSの編集スタッフが、新たに盛り込まれたコンテンツの紹介、サイト制作上の裏話やこぼれ話、編集者の生の声などをお伝えするコーナーです。 投稿欄も併設しますので、皆さまの声もお寄せください。

メルローが飲みたくなる映画 「ウスケボーイズ」20日公開

2018.10.15 16:46

 もう亡くなってしまったが、麻井宇介という日本ワイン界のレジェンドがいる。日本はワイン用ブドウの栽培に適さないと言われた時代、メルシャンの工場長など務めた麻井は長野県塩尻市の桔梗ケ原で栽培したメルロー種のブドウでのワイン醸造に成功。1989年に国際的な賞を獲得した。「桔梗ケ原メルロー」は今でもメルシャンの看板商品。本作は麻井に師事し自家栽培のブドウでのワイン造りに挑む若者たちの群像劇だ。

麻井宇介を囲みワインのテースティングをするウスケボーイズ
麻井宇介を囲みワインのテースティングをするウスケボーイズ

 

 中心となるのは、山梨大の醸造学の大学院で出会った3人の若者たち(渡辺大、出合正幸、内野謙太)。「ワイン友の会」と称して、内外のワインのテースティングに明け暮れていた。日本のワインは海外のものに敵わないと思っていた彼らだが、ある日ブラインドテストをして1位になったのが、日本のワインであることに驚く。1位だったのはもちろん麻井(橋爪功)が手がけた桔梗ケ原メルローだ。

 つてをたどって麻井に渡りを付け、勉強会などを開くようになる。麻井は熱心な3人を気にかけ、麻井にほれ込んだ彼らは自らを「ウスケボーイズ」と名乗り、それぞれにワイン造りの道を進んでいく。

 話は変わるが3年ほど前、ある会合でカリフォルニアのメルローを飲む機会があった。その豊かな香りと芳醇な味わいに驚き、メルローのことを調べ出すと当然、「桔梗ケ原メルロー」にたどり着く。そしてこの映画の原作のノンフィクション「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」(河合香織著)を読み、ほとんど一から畑とワイナリー造りに心血を注ぐ若者たちの姿に何ともいえないたくましさを感じたものだった。メルロー種のワインを少しずつ集め始め、最近では親しい友人を招いてワインを味わう「メルローの会」を開いている。

 原作を読んでいるので3人とも成功を収めることは分かっているのだが、苦労してブドウを育てても病虫害や悪天候、仲間との確執もあり思うような結果がなかなか出ないことにはらはらする。しかし今や彼らが造ったワインは人気が高く手に入れるのはなかなか難しい。

 日本ワイン、取りわけメルローを飲みたくなってしまう、そんな映画に仕上がった。柿崎ゆうじ監督。20日から新宿武蔵野館など全国で公開される。 (47NEWS編集部=中村彰)

最新記事

関連記事 一覧へ