【詳報】宇野が日本男子初の連覇達成、世界フィギュア 高橋組は11位

2023年03月25日
共同通信共同通信
優勝した宇野昌磨のフリー。日本男子初の2連覇を果たした=さいたまスーパーアリーナ
優勝した宇野昌磨のフリー。日本男子初の2連覇を果たした=さいたまスーパーアリーナ
 フィギュアスケートの世界選手権最終日は25日、さいたまスーパーアリーナで行われ、男子はショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨)(トヨタ自動車)がフリー1位となり同種目で日本初の2連覇を果たした。友野一希(上野芝ク)は6位、山本草太(中京大)は15位だった。アイスダンスの村元哉中、高橋大輔(関大KFSC)は日本勢最高に並ぶ11位だった。
 ◇フィギュアスケート 世界選手権(25日・さいたまスーパーアリーナ) ▽男子 ①宇野昌磨(トヨタ自動車) 301.14点(SP104.63=1,フリー196.51=1) ②車俊煥(韓国) 296.03点(SP99.64=3,フリー196.39=2) ③マリニン(米国) 288.44点(SP100.38=2,フリー188.06=3) ⑥友野一希(上野芝ク) 273.41点(SP92.68=7,フリー180.73=6) ⑮山本草太(中京大) 232.39点(SP75.48=17,フリー156.91=15) 
 ▽男子 ①宇野昌磨 301.14点(SP104.63=1,フリー196.51=1) 右足首を痛めながらも4回転ジャンプ4種類5度。序盤の3本のうちループとフリップで高い加点を引き出した。ただ、サルコーは回転不足となり着氷も乱れ、後半に跳んだトーループは2本ともわずかに回転不足。万全の出来ではなかったものの、最後まで宇野らしく攻めた。バロック音楽に重厚な滑りが溶け込み、ステップでは出来栄えで「満点」を獲得。スピンとともにレベル4をマークした。死力を尽くしての2連覇、演技の後は氷上に倒れ込み、大の字になった。
 宇野昌磨の話 完ぺきとは言い難い演技だったが、今これ以上はできない演技だった。危ないジャンプが多かったが、しっかり成績を残せたことがうれしい。今後の道もたくさんのことを考えている、どういう形でスケートをやっていくか分からないが、これからも頑張る。
 ▽男子 ②車俊煥(韓国) 296.03点(SP99.64=3,フリー196.39=2) 羽生結弦さんと「同門」の21歳が覚醒、韓国男子として初の表彰台を射止めた。4回転ジャンプはサルコーとトーループで、ともに大きな加点を引き出した。後半に2本のトリプルアクセルを跳ぶなど、ジャンプはすべて成功。スピンとステップもレベル4をそろえ、技術点では宇野を上回った。しなやかな身のこなしと華やかな雰囲気も先輩の羽生さん譲り。
 ▽男子 ③マリニン(米国) 288.44点(SP100.38=2,フリー188.06=3) 冒頭で「超大技」クアッドアクセル(4回転半ジャンプ)に成功した。しかし、その後に跳んだ4種類5度の4回転は安定感を欠き、回転不足や着氷の乱れが目立った。技術点はトップだったものの、宇野らに大差をつけるには至らず。また、演技点は7点台と8点台前半にとどまった。
 ▽男子 ⑥友野一希 273.41点(SP92.68=7,フリー180.73=6) 2度挑んだ4回転トーループは、2回転との連続ジャンプで成功したが、単発では転倒した。その後の立て直しは見事。SPで失敗していた4回転サルコーを鮮やかに決めた。オペレッタ「こうもり」の軽快な音楽に乗り、すがすがしい疾走感。後半は2本のダブルアクセルに着氷し見せ場を作った。スピンとステップにレベルの取りこぼしはあったものの、フリーと合計で自己ベストを更新した。
 友野一希の話 これ以上ないくらい幸せだった。たくさんのバナーがあって、国旗があって…。会場がひとつになっていた。もっともっといい演技をしなければならない、と思った。
 ▽男子 ⑮山本草太 232.39点(SP75.48=17,フリー156.91=15) グランプリファイナル2位の実績を持つ山本は力を発揮できないまま終わった。2種類3度挑んだ4回転ジャンプで成功したのは単発のトーループだけ、最初のサルコーで転倒し、連続ジャンプのトーループでも手をついた。さらにトリプルアクセルでも大きく着氷で乱れた。スピンやステップでもレベルの取りこぼしが目立ち、演技点も3項目中二つで7点台と伸び悩んだ。
 山本草太の話 今回の悔しい経験を来シーズンの成長に生かして、成長した姿で世界選手権の舞台に戻ってこれたら、と思う
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 ▽アイスダンス ⑪村元哉中、高橋大輔(関大KFSC) 188.87点(RD72.92=11,フリー115.95=10) 目標の10位以内にはわずかに届かなかったが、今季最後に難プログラム「オペラ座の怪人」を昇華させた。序盤のリフトはスピードと力強さをアピール。最高難度のレベル4を獲得した。連続ターンの難所、ツイズルも切り抜け、美しくシンクロしたスケーティングで魅了した。これまでは終盤に息切れし、ミスが出ていたものの、この日は持ちこたえた。フィナーレを迎えると二人とも感無量。涙を流して抱き合った。
アイスダンスフリー 演技する村元哉中(上)、高橋大輔組=さいたまスーパーアリーナ
アイスダンスフリー 演技する村元哉中(上)、高橋大輔組=さいたまスーパーアリーナ