コロナ禍で増えた訪問診療 「面会制限」を敬遠か

2022年10月04日
共同通信共同通信
 新型コロナウイルス感染症が流行していた昨年夏、在宅医療(訪問診療)を希望する患者が増えていたとする研究結果を浜野淳筑波大講師(総合診療・緩和医療学)が国際学術誌に発表した。
 
 

 

 背景には病床数の逼迫(ひっぱく)など、受け入れる医療施設の側の事情もあったが、同時に、感染防止のための「面会制限」が敬遠されたことも明らかになった。浜野さんは「医療側の支援に加えて、面会についての運用改善が必要だ」と指摘している。
 2021年8月、第5波の流行下で全国21都道府県に緊急事態宣言が発令されていた時期に、訪問診療を実施している全国37の医療施設の院長や管理者を対象に無記名のアンケートを実施。訪問診療の利用状況と患者の病状、その理由などについて尋ね、31施設から得られた回答を分析した。
 その結果、新型コロナの流行前と比べて利用状況の変化として挙げたのは「新たに訪問診療を希望する患者が増えた」が71%、22施設。「自宅で最期を迎える患者が増えた」が74%、23施設だった。
 各施設の回答で、患者や家族が訪問診療を希望する理由として挙がったのは、複数回答で「入院中の面会制限があるため」が94%、29施設と最多。ほかに「医師や看護師に勧められて」が55%、17施設あった。「病院内でのコロナ感染を心配して」も42%、13施設が選び「日本人が海外よりもリスクを回避する傾向があるとの先行研究の報告と一致する」としている。
 これらの回答結果は各施設の医師数や立地地域の人口によっても違いが見られず、全国の一般的な傾向だと考えられるという。