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【パラ聖火リレー アーカイブス(1)】 各地で採火、見直し続出 復興、平和、共生に願い

2021.8.16 12:00 共同通信
「3・11希望の灯り」から採火された、東京パラリンピック聖火が入ったランタンを手に記念撮影に応じる高橋未宇さん(右手前)と藤原直美さん(左)=12日午前、岩手県陸前高田市
「3・11希望の灯り」から採火された、東京パラリンピック聖火が入ったランタンを手に記念撮影に応じる高橋未宇さん(右手前)と藤原直美さん(左)=12日午前、岩手県陸前高田市
 東京パラリンピックは12日、聖火リレー関連のイベントが始まった。24日の開会式まで段階的に行事が進み、最初は16日まで43道府県を会場に採火がある。共生や災害からの復興、平和を願う思いを乗せた聖火が東京に向かう。新型コロナウイルス禍で公道をランナーが走る場面は大幅に減り、関連行事も縮小や見直しが続出。大会の盛り上げにつながるか見通せない。
 東日本大震災の被災地、岩手県陸前高田市では、阪神大震災の被災地、神戸市から分灯されたガス灯「3・11希望の灯(あか)り」から採火。生まれつき脳性まひがある介護施設職員高橋未宇さん(21)は「長い歴史のある火を聖火としてつなぐ役目ができるのは光栄」と笑顔だった。
 福島県では、東京電力福島第1原発事故の対応拠点から復活したサッカー施設Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)で採火式を開催。沿岸部の避難区域を含む13市町村から集めた種火を一つにした。火をランタンに取り出す役を担った同県出身で車いすバスケットボール元日本代表佐藤聡さん(45)は「復興した姿が全国に届いてほしい」と話した。
 沖縄戦最後の激戦地、沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園では、戦没者名が刻まれた「平和の礎(いしじ)」近くの広場でトーチに火を採った。耳や喉に障害のある同市の金城弘享さん(20)は「日本代表に一生懸命戦ってほしい」と期待した。
 採火会場は地域の特色を生かした場所でもある。鎌倉時代から刀の製作が盛んだった岡山県瀬戸内市では、刀鍛冶が刀を打つためにおこした火を、知的障害者のボウリングの世界大会で金メダルを獲得した経験がある入江信行(いりえ・のぶゆき)さん(33)が採火。入江さんは「大会ではみんなに頑張ってほしい」と話した。
 徳島市役所の式典では、障害者らでつくる「阿波おどり」の団体が、家族などに支えられながら、踊りを披露。宮崎県の会場では、フェニックスのデジタルアートから炎が噴き出る演出もあった。
 東京パラの聖火リレーは3段階に区切られており、16日までの採火に続き、17~20日は競技会場がある静岡、千葉、埼玉、東京4都県での採火やリレーに移るが、千葉、埼玉、東京は公道走行を中止。静岡県も12日、公道走行の縮小を決めた。
 最後は日本各地とパラ発祥の地とされる英国ストーク・マンデビルで現地時間19日に採火した炎が20日夜、東京都港区の迎賓館の「集火式」で合流。都内の点火セレモニーを経て、24日の開会式を迎える。