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「継ぐ」継ぐ者たち 五輪連載企画「熱戦の書」

2021.8.2 17:00 共同通信
 
 

 2008年の北京オリンピックのとき、人生に悩んでいた私は上野さんをはじめとするソフトチームの活躍に大きく勇気づけられた記憶がある。

 優勝の瞬間、チームメートに担がれる上野さんの満面の笑みを見て、諦めずに戦い抜く姿に奮い立たされた。あのとき、五輪でのソフトボールの試合は最後といわれた。

 燃え尽きたときもあるだろう。何のために努力し続けるのか迷ったこともあるだろう。それでも彼女たちは12年と1年待ち続けた。そして迎えたこの東京は、全てを懸けるに値する舞台なのだ。

 決勝の相手は北京と同じ、宿命のライバル米国との真っ向勝負。敵も味方もなく、同じ気持ちで13年間を過ごした選手たちは死力を尽くした。

 「継」という字は「断ち切った糸を改めてつなぐ」からきている。次回のオリンピックでこの競技はないともいわれる。でもまたいつか、この糸を継ぐ者たちが私たちを勇気づけてくれるだろう。

 

 

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 書家の岡西佑奈さんが東京五輪の期間中、さまざまな競技を観戦しながら浮かんだ言葉を書にし、その思いをつづります。

 おかにし・ゆうな 1985年東京都生まれ。6歳から書を始め、高校在学中に師範免許を取得。自然界の曲線美を書によって追求する独自の創作活動を行う。作品集に「線の美」がある。