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肥満は大腸がんリスク 「ゲノム疫学」で確認

2021.6.24 0:00
 日本人で肥満の度合いを示す体格指数(BMI)が大きい人ほど、大腸がんになるリスクが高いとするゲノム(全遺伝情報)解析の結果を、国立がん研究センターや横浜市立大などの研究チームが発表した。
 BMIは体重を身長の2乗で割った数値。これが1単位増えると大腸がんのリスクが7%高まる可能性が示された。これまでの疫学研究でも肥満は大腸がんの「ほぼ確実」な危険因子とされてきたが、「ゲノム疫学」と呼ばれる新たな手法を使ってこれが間違いなさそうなのを確かめた。
腹囲の測定を受ける日本の男性
腹囲の測定を受ける日本の男性

 日本人は欧米人などに比べると肥満の度合いが低く、従来の疫学手法だけでは病気とBMIとの因果関係をはっきり示すのが難しい。研究の中心となった横浜市立大の後藤温教授は「因果関係が明確になってきた。やはり肥満は大腸がんの危険因子と言えそうだ」と話す。

 チームは肥満度そのものではなく、BMIに関係する遺伝子多型(個人間のゲノム配列の違い)に着目。日本人に特徴的な68種類の多型と、欧米人を含む654種類の多型を選び、全国約3万6千人の非大腸がん症例や約7500例の大腸がん症例のデータを使って詳しく分析した。
 するとBMIが大きくなるにつれて大腸がんのリスクが高まる傾向を確認。ゲノム疫学の手法で肥満が大腸がんのリスクであることを示したのはアジア系の集団では初めてという。
 国内では年間約15万人が新たに大腸がんに罹患するが、早期には自覚症状がない場合が多い。研究には岩手医科大や東北大、名古屋大、愛知県がんセンター、筑波大なども参加した。

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