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4度の五輪にドラマ 競歩の谷井孝行 【わが街 オリンピアン 富山県】

2021.5.17 15:00 共同通信
4大会連続出場となった2016年リオデジャネイロ五輪の陸上男子50㌔競歩でゴールする谷井孝行(共同)
4大会連続出場となった2016年リオデジャネイロ五輪の陸上男子50㌔競歩でゴールする谷井孝行(共同)
 富山市内で今年5月に開かれたウオーキングイベント。青空の下、市民と笑顔で歩く谷井孝行(36)の姿があった。ジャージーの胸元には日の丸が輝く。陸上男子競歩で2004年アテネから4大会連続五輪出場。今年2月の日本選手権を最後に現役を退いてからは後進を指導しながら「競歩の認知度をもっと高めたい」と各地のスポーツ行事へ積極的に参加する。
 富山県滑川市出身。高岡向陵高の駅伝部に入部して間もなく、脚にけがを負い、リハビリで始めたのが競歩との出合いだった。「一つ改善すれば、一つ速くなる。それがすごく実感できた」。完治後も、社会人になってからも歩みを止めなかった。
 15年の世界選手権では銅メダルを獲得。同じ富山県出身で08年北京五輪7位の山崎勇喜(35)や、16年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの荒井広宙(31)らライバルと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、日本競歩界を引っ張ってきた。
 何も知らなかったからこそ、純粋に楽しめたアテネ。スランプのさなかで苦しかった北京。レース前に肺気胸に見舞われたロンドン。前年の世界選手権の好成績を弾みに臨んだリオ―。メダル獲得はならなかったが、全ての五輪にドラマがあった。いつも「まだ見ぬ先を歩く自分の姿を見てみたい」と次の五輪を目指してきた。
富山県
 

 所属する自衛隊体育学校では選手からコーチへと立場を変え、東京五輪に向けて勝木隼人(28)や野田明宏(23)らホープを指導。競歩漬けの日々に変わりはない。

 「自分を超えてほしい、ではない。超えていってもらわないと困る」。次に「見てみたい」と願うのは、東京を舞台に輝きを放つ教え子の姿だ。(北日本新聞社=中島慎吾記者、2019年9月4日配信、所属肩書は当時)