「もう帰れない」 福島県外に避難する男性
2021.3.9 3:00
共同通信
着替えと布団だけ持ってたどり着いたネオン輝く東京の街。あれからもう10年になる。今野友広さん(70)は東京電力福島第1原発事故で故郷の福島県浪江町津島地区を離れ、都内に妻と暮らす。「もう帰れない」。長引く避難で帰還困難区域の自宅は朽ち果て、昨年2月に解体した。少しずつ東京の生活にも慣れ、酒を酌み交わす友人もできた。「こだわっていても仕方ない。とりあえずこの街で暮らそう」。そして、いつの日か故郷に孫を案内したい―。今野さんの願いだ=2月