メニュー 閉じる メニュー
全国

全国

(583)夏の魚、清流の女王 アユ 

2021.3.2 13:00
円柱形の水槽をたくさんのアユたちが行きかう。体が銀色にかがやく
円柱形の水槽をたくさんのアユたちが行きかう。体が銀色にかがやく

 

 埼玉県羽生(はにゅう)市の「さいたま水族館」。エントランスホールにある円柱形の水槽で、夏場に来る人を迎えてくれるのは、たくさんのアユたちだ。5月末から6月初めにヒレナガニシキゴイと交代する。

 よく塩焼きにして食べるけれど、どんな魚なのか、あまり知らない。飼育係長の大平信一(おおひらしんいち)さんに教えてもらった。

 「アユは夏の魚です。四季で説明すると、海で育った若いアユたちが、春になると川をのぼる。川をのぼっていく夏の間に、石に着いたコケなどを食べて、大きく成長します」。30センチぐらいになるそうだ。

 秋、砂利の中に産卵する。産卵を終えると、親アユの一生が終わる。つまり1年しか生きない。

 産卵から約2週間で赤ちゃんアユがかえり、川の流れにのって海にくだる。冬の間は主に動物プランクトンを食べて育つ。そして春にまた川へ。

 アユはキュウリウオとよばれる魚の仲間。「この仲間はキュウリやスイカのような香りがします」。えっ、どうしてですか? 「コケを食べるので、以前はそのにおいと考えられていましたが、最近は体の中にある物質のためとされています」

 香りがいいので「香魚(こうぎょ)」とよばれる。「清流の女王」という別名もある。話を聞いているうちに、川でアユつりがしたくなった。(文・写真、佐々木央)=2019年8月配信

最新記事