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【コロナで変わる日常】(26)家、もういらない 転々と身軽にテレワーク

2020.9.18 7:01 共同通信

 広々とした「自宅兼オフィス」の居間で1人、ノート型パソコンと向き合う。昼休みは近くのビーチで散歩や昼寝。仕事後は次に行く土地を思い浮かべ、ゆかりの本を読む。都心の喧騒(けんそう)とは無縁の生活がここにはある―。

 「もう今の家に住む必要はないかも」。3月上旬、新型コロナの感染拡大で始めた在宅勤務が大堀優弥(おおほり・ゆうや)さん(23)の転機となった。若者を中心に広がる「アドレスホッパー」への移行。定住せずに住居を転々と変える新生活スタイルだ。商談システムの顧客サポートなど日々の仕事は完全にオンライン。パソコン1台でどこでも勤務可能なのが幸いした。

 都会の生活にこだわりはない。月額4万円で、全国50以上の物件に住み放題できるサービスに飛びつき、5月末には川崎市の賃貸住宅を引き払った。学生時代はバックパッカーとして東南アジアを回った経験も。日本中を旅しながら新たな環境を体感できると想像すると、自然と胸が躍った。

 空き家や別荘をリノベーションした住居はどこも清潔で快適だ。海辺が魅力の神奈川県小田原市、静岡県南伊豆町の温泉付き別荘、震災被災地の福島県南相馬市小高区…。荷物は生活用品を詰めたリュックサックとパソコンだけ。1週間ごとに気分で住まいを変えている。

 新たな出会いへの好奇心が根底にある。「感染が落ち着いたら、地元の人とも関わっていきたい」。コロナ禍を軽やかにかわしながら、気の向くまま今日も日本を渡り歩く。

 (共同=喜多信司)

*写真・記事の内容は2020年8月7日までの取材を基にしたものです。