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【コロナで変わる日常】(2) 笑顔絶やさない 認知症高齢者支える介護士

2020.8.3 7:01 共同通信

 忍び寄る「介護崩壊」の影におびえた。「でも利用者の生活がかかっている。じゃあ休みますとはいかなかった」

 認知症専門のデイサービスを運営するNPO法人サポートハウス年輪(東京都西東京市)の介護士、島崎恵(しまざき・めぐみ)さん(40)は、新型コロナウイルス感染者が急増するさなかも現場に踏みとどまった。

 「認知症の夫を1人にできないし、面倒見続けることもできない」。在宅介護に限界を感じた家族からサービス継続を望む声が相次いだ。事業所は施設に密集しないよう出勤スタッフを半分程度減らし、外部との交流をやめて営業を続けた。

 介護現場では排せつや入浴、歩行介助など濃厚接触が避けられない。徹底した感染予防が必須だが、「認知症の人は敏感。マスクや消毒液を怖がって混乱することも」。アルコールを付けてのハンドマッサージや自作マスクのプレゼント、しぶきの飛ぶ合唱の中止…。手探りだったが、工夫を重ねて対処していった。

 家族に累が及ばないよう仕事後は着衣を替える。自宅では壁に向かって黙々と食事をし、風呂は必ず最後に入る。

 「自分たちがいないと困る人がいる」と改めて気づかされた。「精神的にきついこともあるけど、利用者が心開いた瞬間や家族の感謝の言葉に救われる」。気を緩められない日々が続くが、笑顔は絶やさない。

(共同=西村庸平)

*写真・記事の内容は2020年5月28日までの取材を基にしたものです。