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欧州の国境開放は「時期尚早」 世界医師会、第2波懸念も

2020.5.29 18:31 共同通信

世界医師会のモントゴメリー理事会議長(共同)
世界医師会のモントゴメリー理事会議長(共同)

 【ベルリン共同】欧州では新型コロナウイルスの流行が下火になり、複数の国が夏の観光シーズンを迎える6月中旬に国境開放の方針を示した。だが世界医師会のモントゴメリー理事会議長(67)(ドイツ出身)は29日までに共同通信の電話インタビューに応じ「開放は時期尚早だ。人が動いてウイルスが拡散し、最悪の場合、流行の第2波が起こり得る」と警告した。

 ドイツやスイスなどが3月に封鎖した国境を6月15日に開放する方針を表明した。観光業回復への期待も大きく、ドイツのマース外相は国民が欧州各国で夏の休暇を過ごせるようにしたいとの期待を示した。

 これに対し、モントゴメリー氏は国境開放によって感染者と非感染者の接触が増え、感染拡大のリスクが高まるのは明らかだと強調。治療法もワクチンもない現状で「ドイツ人が外国を旅したり、外国人観光客がドイツを訪れたりするようなことは容認できない。国外への旅行を思いとどまるよう忠告したい」と訴えた。

 人々が周囲との間隔を保つなどの感染対策を守らなかった場合「第2波が各地で起こり得る。誰もがそのリスクを真剣に受け止めるべきだ。(日常生活の)正常化はまだ早い」と指摘した。政治的な背景に基づく拙速な規制緩和は社会に誤ったメッセージを送ることになるとも述べ、懸念を示した。

 周辺国より死者を抑えたドイツの危機対応にも触れ、早期からの膨大なウイルス検査と集中治療病床の拡充、家庭医や専門医、病院からなる医療システムがうまく機能した結果だと評価した。

 同氏は放射線科医で、ドイツ医師会前会長。