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NY市感染、格差が影 富裕層は避難、貧困層に被害

2020.5.24 15:18 共同通信

傘を差して歩く人々=23日、ニューヨーク(AP=共同)
傘を差して歩く人々=23日、ニューヨーク(AP=共同)

 【ニューヨーク共同】米東部ニューヨーク市で、新型コロナウイルスの感染拡大に貧富の格差が影を落としている実態が明らかになってきた。富裕層が3月ごろから市外に避難する一方、逃げ道がない貧困層の感染率は極めて高い。格差社会の縮図と言えそうだ。

 ニューヨーク市では3月1日に感染者が初確認された。ニューヨーク・タイムズ紙によると、同市の郵便局の転送サービス申請数は3月が月平均の2倍以上の5万6千件、4月が前年同月比2倍の8万1千件で、それぞれ60%は市外宛て。転送先は市近郊や南部フロリダ州、西部カリフォルニア州など多岐にわたる。

 スマートフォンの位置情報によると、市民の5%に当たる約42万人が3月1日~5月1日に市を離れた。マンハッタンなどの高級住宅地では住民が40%超減少した。デブラシオ市長が公立学校の閉鎖を発表した3月15日以降が顕著だという。

 「低所得者層の地域で感染者数が依然増えている」。ニューヨーク州のクオモ知事は20日の記者会見で、感染歴を調べる抗体検査を市内の低所得者地域で8千件実施した結果、陽性率は市内平均の約20%を上回る27%だったと発表した。

 黒人やヒスパニック(中南米系)が多い市北部ブロンクスでは43%、南部ブルックリンでは41%に達した地区も。低所得者向けの公営住宅では人同士の距離が近いことが一因としている。米国では国民皆保険でなく医療費も高いため、低所得者は糖尿病など基礎疾患があっても病院に行きにくいとの事情も指摘される。

 クオモ氏は「何が起きているかは分かった。低所得地域に焦点を合わせる」と言明。市内の経済格差を前提に、検査態勢やマスク供給などを強化する方針だ。