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最悪301万人が失業恐れと試算 コロナ打撃、リーマン超え

2020.5.20 19:16 共同通信

マスク姿で通勤する人たち=7日、JR東京駅前
マスク姿で通勤する人たち=7日、JR東京駅前

 社会情勢の変化に応じた経済分析に強みを持つシンクタンク「中部圏社会経済研究所」(名古屋市)は20日、新型コロナウイルスの流行が2020年度の雇用に与える影響の試算を発表した。世界的な流行の収束が今年末にずれ込む最悪のケースでは、全国で最大301.5万人が失業する恐れがあると指摘した。前年度比の就業者数の減少率は4.5%に達し、リーマン・ショック後の09年度の1.5%を大きく上回る可能性がある。

 19年平均の完全失業率は2.4%とウイルスの流行前までは日本の雇用環境は絶好調だった。しかし情勢は一変、生活に困窮する人が急増するリスクが高まっている。

 試算は流行収束の時期などによって2通りのシナリオを想定。「最悪」のケースは収束に年内いっぱいかかり、訪日外国人旅行者数が21年3月まで回復しないことなどを織り込んだ。一方、今年後半に流行が収束し、訪日外国人旅行者数が10月以降に回復するシナリオを「標準」と位置付けた。

 最悪の場合、産業別での失業者数は卸売り・小売業で84.5万人、製造業が61.4万人、宿泊・飲食サービス業が58.9万人に及ぶ。

 リーマン・ショック後の金融危機時の09年度には、全国で約95万人が仕事を失い、就業者は1.5%減少。同研究所は「最悪のシナリオが現実になれば日本経済は大変なことになる。政府は強力な雇用対策を早急に実行する必要がある」と話している。

 また標準ケースでも、就業者数は185.5万人減り、減少率は2.8%に上ると試算した。

 同研究所は中部圏に限らず、さまざまな社会事象を経済面から分析することに実績を持つ。今回は、内閣府の経済活動分類に基づき、新型コロナウイルスの影響を強く受ける産業を重点的に調査した。