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発熱救急搬送「たらい回し」5倍 19消防で増加、コロナ感染疑い

2020.5.3 6:00 共同通信

 新型コロナウイルス感染拡大を巡り、全国の消防本部で4月、発熱などの症状がある救急患者の搬送先が決まらず「たらい回し」となった事案が、前年同期比で5倍以上になっていたことが2日、共同通信の調査で分かった。増加は19本部。医療機関が受け入れを断る理由は「患者に感染の疑いがある」が最多。症状にかかわらず全ての救急患者の受け入れを停止している病院も複数あった。

 総務省が全ての症状の救急患者について実施した全国集計では、4月下旬の「たらい回し」は前年同期のほぼ2倍。医療機関は院内感染への警戒を強めており、発熱などがある患者はさらに円滑な治療を受けづらくなっている。最終的に高度医療を担う救命救急センターに患者が集中すれば、早急な治療が必要な重症患者の救命にも影響を及ぼす。「救急医療の崩壊」につながるため、対策が急務だ。

 調査は、東京消防庁と46道府県庁所在市の消防本部が、4月1~27日に搬送した事案が対象。新型コロナの主な症状として発熱や呼吸苦が挙げられており、こうした症状がある患者について、医療機関に4回以上受け入れ可能か照会した事例の件数を集計し、前年同期と比べた。

 件数が分かった32本部の合計は2705件で、前年同期は483件だった。福島は前年がゼロだったが5件に増加。岡山は19倍、高知とさいたまは10倍、東京と福岡は8倍程度に増えていた。

 発熱や呼吸苦の患者に関し、救急隊員が現場に到着してから搬送先が決まり現場を出発するまでの時間も調査。30分以上60分未満の件数が増えたのは25本部で、うち秋田や長野など8本部は前年はゼロだった。60分以上の件数が増えたのは20本部あった。

 搬送が断られた理由を複数回答可で尋ねると「患者の感染疑い」が最多の23本部。「感染拡大による病床不足」が6本部だった。救急受け入れを停止した医療機関が「ある」としたのは9本部。国への政策要望では「隊員の感染防止策強化」が24本部で最も多かった。