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コロナ感染公表は?出社命令は? 企業向けにウェブで法的助言

2020.4.26 17:24 共同通信

法律事務所が公開したセミナー動画で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた法的問題について話す塩崎彰久弁護士(右)
法律事務所が公開したセミナー動画で、新型コロナウイルス感染拡大を受けた法的問題について話す塩崎彰久弁護士(右)

 新型コロナウイルスに社員が感染したと公表しても個人情報保護法に違反しないか、緊急事態宣言中に出社を命じていいのか―。感染拡大で、企業が多くの法的問題に直面する中、東京の大手法律事務所が集約した助言をウェブサイトで公開し、反響を呼んでいる。担当弁護士は「状況が刻々と変化して正解は見えにくいが、考える足掛かりになれば」と期待する。

 弁護士約500人が在籍する長島・大野・常松法律事務所が3月12日に公開した特設サイトの閲覧回数は、約1カ月で1万回を超えた。

 目玉は弁護士が出演する1回15分程度のセミナー動画。初回は感染した社員のプライバシーがテーマだった。保護法は本人の同意がない病歴公表を禁じるが、「入院中などで連絡が難しく、生命の保護や公衆衛生のためであれば、例外になり得る」と指摘。その後も「イベント自粛で契約義務は免れられるか」との問いに「従来は免責が難しいが、容認が増える可能性がある」と回答するなどしている。

 動画を閲覧するのは首都圏だけでなく、青森県や愛媛県など地方の企業も多い。同事務所の塩崎彰久弁護士は「人に会って相談ができない状況となり、企業の法務担当者は情報の断絶に苦しんでいる。広く知識を届けることが、私たちの役目だと考えた」と話す。

 急増しているのは、外出自粛が求められる中、取引先の要請などで出勤が必要になった際の対応に関する相談。安全配慮義務を十分果たす必要があるといった解説を作成中だという。

 中国や米国のほか、ベトナム、シンガポールにも拠点を持つ西村あさひ法律事務所の特設サイトは、目まぐるしく変わる各国の感染抑止策の最新情報をまとめて公表。海外で事業展開している企業などから「個別の法規制を一括してチェックできる」と評価は高い。

 「どの国も政策を練り込めないまま打ち出し、修正も多い。更新にはスピードが要求される」と担当の小口光弁護士。

 他にも金融や労務法規の専門弁護士約10人が対策チームを組み、相談対応に当たる。企業再生に詳しい柴原多弁護士は「今後は個々の企業の業態変更に加えて、産業の大幅な再編も起こり得る。リスクは大企業に限らないので、あらゆる企業に知恵を活用してほしい」と呼び掛けた。