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集中治療室、45都道府県で不足 コロナ流行ピーク想定時

2020.4.25 22:38 共同通信

聖マリアンナ医大病院の集中治療室(ICU)で、新型コロナウイルスの重症患者の治療に当たる医療従事者=23日、川崎市
聖マリアンナ医大病院の集中治療室(ICU)で、新型コロナウイルスの重症患者の治療に当たる医療従事者=23日、川崎市

 新型コロナウイルス感染症の流行が国の想定するシナリオでピークを迎えた場合、岡山と沖縄を除く45都道府県で、重症者の治療に欠かせない集中治療室(ICU)の病床が不足する可能性が高いことが25日、共同通信の調査で分かった。重症者数が病床数を上回り、21道県では2倍以上に達する。医療態勢の脆弱性が浮き彫りになった形で、専門医師らは「重症度の低い患者向けの高度治療室(HCU)の活用や人材の配分を検討すべきだ」と指摘する。

 感染患者が重い呼吸不全に陥った場合、ICUで人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」といった生命維持装置を使い、免疫力が回復するまで24時間態勢で治療を続ける。

 今回、国の推計式に基づき、1人の感染者が平均2人にうつすと想定して、都道府県別のピーク時の重症者数を算定。この数字と、日本医師会総合政策研究機構が調査したICU病床数の最新データを比較分析した。

 東京は848床の病床に対し重症者は903人、大阪は513床に対し666人、福岡は327床に対し388人などと、大半の自治体で病床数を上回った。北海道や新潟など21道県は、重症者が病床数の2倍以上になった。岡山と沖縄両県は病床数を下回った。

 海外の調査などによると、人口10万人当たりのICU病床数はアメリカが約35床、ドイツは約29床、イタリアは約12床なのに対し、日本は約5床と大きく下回る。

 政府は今月16日、緊急事態宣言の対象範囲を全国に拡大させたが、感染者数は増加の一途をたどり、首都圏の病院はICUを含め病床が逼迫してきている。重症患者の治療に当たっている医師らは、国が診療報酬や医療従事者数の体制整備をした上で「HCUや救命救急の病床も活用すれば、1万床以上増やせる。各病院で判断するのではなく、国が主導して進めてほしい」と訴える。