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牛乳の行き場、八方ふさがり 生産ピークで大量廃棄の危機

2020.4.24 14:53 共同通信

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた一斉休校や飲食店の休業が続き、給食の牛乳や生クリームなどに使われるはずだった生乳の行き場が八方ふさがりだ。生産者団体はバターなど加工品向けに転用してきたが限界になりつつある。生乳生産は4~6月がピークで、家庭消費が増えなければ大量廃棄されかねない危機的状況に陥っている。

 生乳の用途の約半分を占める業務用は、休校で3月以降落ち込んだ給食向けに加えてコーヒーチェーンや土産物の菓子など向けも、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が発令された今月7日を境に一段と減少。農林水産省によると、4月の業務用需要は前年同月比で5~7割減となる見込みだ。

 乳業メーカーや生産者団体は3月以降、牛乳よりも保存が利くチーズやバターといった加工品に仕向ける量を大幅に増やして対応してきたが、加工品の大規模な製造設備は国内に数えるほどしかなく、受け入れ能力は限界に近づいている。

 全国酪農業協同組合連合会の北福岡工場(岩手県)では平年の2~3倍の製品を製造。担当者は「生乳を積んだトラックが工場前で連日行列を作っている。休日返上でフル稼働しなければ処理が間に合わない」と話す。

 国内のバターや脱脂粉乳の在庫も過剰気味となっており、農水省は「このままでは、酪農家から生産者団体が集荷した生乳を廃棄せざるを得ない状況だ」と危機感を募らせる。生乳の需給調整に協力してチーズなどの製造を増やす企業に対し、独立行政法人「農畜産業振興機構」の予算約19億円を充て、生乳の買い取りを支援する方針だ。

 それでも生産ピークを迎える生乳を加工品に振り向け続けることは困難で、農水省は「難局を乗り切るため、牛乳やヨーグルトを普段より一つ多く購入して」と家庭に協力を呼び掛けている。