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楽天検査キット、懸念の声相次ぐ 専門家「感染広げる恐れ」

2020.4.23 19:37 共同通信

 楽天が新型コロナウイルスの感染の可能性が分かるPCR検査キットを法人向けに販売し始めたことに対し、医療関係者の団体や専門家から懸念の声が相次いでいる。自分で鼻の奥に綿棒を入れて検体を取るのは極めて難しく、感染しているのに「陰性」と誤って判定された人が出社して、感染を広げる恐れがあるためだ。

 キットはジェネシスヘルスケア(東京)が開発し、楽天が東京など5都県の法人向けに販売。自宅に郵送され、利用者が自分で鼻の奥に綿棒を入れて喉の粘膜を取り、容器に密閉して提出する。容器はジェネシスヘルスケアが回収し、検査結果を通知する。

 検査はあくまで感染の可能性を示すもので、楽天は「診断や医療行為ではない」としているが、建設業界のほか、医療や介護などテレワークが難しい業種で「症状のない人が自宅待機か出勤してもらうかどうかの判断材料に使いたい」とのニーズがあるという。

 ただ、自分で鼻の奥に綿棒を入れて検体を取るのは極めて難しい上に粘膜を傷つけてしまう恐れがあるため、多くの専門家が懸念を示す。

 日本医師会の釜萢敏常任理事は22日の会見で「採取が不適切なら結果は信頼できないものになる」と話した。検体がうまく取れなければウイルス量が減り、誤った判定が出るリスクは高まるためだ。キットは薬事承認されておらず、精度は明らかでない。

 浜松医科大の前川真人教授(臨床検査医学)は「どんな検査でも精度は100%ではない。陰性は感染していないことの証明ではない」と強調。「感染しているのに陰性と出てしまった人が出勤すれば感染者の集団を生む恐れが高まる」と危機感を募らせる。