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ヨーロッパ選手権inブラチスラバ(2)

2019.10.11 10:00
ヨーロッパ選手権優勝のタニヤンさん(右)トリセンカさん
ヨーロッパ選手権優勝のタニヤンさん(右)トリセンカさん

 長年続けて同じ大会を観戦していると、いろいろなストーリーが見えてくる。ヨーロッパ選手権は将棋という個人競技ながらも、国を背負った闘いである。
 今、ヨーロッパで最強の国はベラルーシだ。特に子ども、若者のプレーヤー数が圧倒的に多く、驚異的なスピードで質量ともに伸びている。しかし昨年の本大会でベラルーシ勢は悔しい思いをした。ヨーロッパ選手権はレーティングの高い順に32人が出場できる。その9人をベラルーシが占め、ベスト8に4人の選手が勝ち進んだものの、決勝までたどり着けなかったのだ。

 それから一層、闘志を燃やし、1年間みっちり鍛え上げてきたに違いない。今年はベスト4のうち3人がベラルーシ。この時点で決勝進出は確定である。ヨーロッパ選手権と並行してワールドオープン選手権も開催される。上位32人に入らなかったヨーロッパの選手と、ヨーロッパ以外のプレーヤーが出場する。今年は全体で104人、日本人は16人が参加した。

大会会場風景
大会会場風景
 
ブラチスラバ城
ブラチスラバ城

 毎年書いていることだが、このヨーロッパ選手権は年々レベルが上がっている。トップを争う第1グループはほぼメンバーが固定してきたけれど、追随してくる若者たちをきちんと負かしているのを見ると、上位陣もさらに強くなっていることが分かる。
 これまでヨーロッパのレーティング戦で無敗だった元奨励会二段の高橋英晃さんは昨年の選手権優勝者のトーマス・ライターさん(ドイツ)にとうとう土をつけられた。高橋さんは日本のアマ名人戦全国大会で準優勝するほどの超強豪である。いまや日本と海外アマトップの差はわずかになったと言える。

 

 そのトーマスさんを破って今年のヨーロッパ選手権の覇者に輝いたのは、ベラルーシのヴィンセント・タニヤンさん。2017年のキエフ大会も優勝しており、返り咲きとなった。ベラルーシチームを牽引するアンドレ・リセンカさん、セルゲイ・リセンカさん兄弟はとても誇らしげな表情で拍手を送っていた。

インターネット配信するカロリーナ女流1級(左)
インターネット配信するカロリーナ女流1級(左)
 

 今回はカロリーナ・ステチェンスカ女流1級がインターネット配信を行った。最上位者の対局をリアルタイムで全9局。現地にいたプロ棋士、青野照市九段、高田尚平七段、中座真七段を代わる代わる中継室に呼んで解説をする。カロリーナさんは英語で話し、視聴者からチャットで英語の質問が書き込まれると、それを日本語に訳して解説者に伝え、その内容をまた英語で説明する。中継の機材持ち込みからセッティング、配信、進行、そして通訳まで一人で行い、まさに八面六臂の大活躍だった。(北尾まどか)

 

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