メニュー 閉じる メニュー
全国

全国

ヨーロッパ選手権inベルリン~その2~

2018.9.28 10:00 女流二段 北尾まどか
フォルタンさん(左)とライターさん(右)による決勝戦
フォルタンさん(左)とライターさん(右)による決勝戦

 

 対局は全てレーティングによって管理され、その点数と勝敗によって対戦相手が決定します。
 参加者は会場の外に張り出された対戦表を見て、テーブル番号と相手の名前を確認して着席。席次は成績順になっており、最上位の対局はインターネットで動画配信されます。

 

 ヨーロッパの大会ではトーナメント会場での私語が禁止されており、感想戦は別室で行うのが基本のスタイルです。

ヨーロッパ選手権の対局表
ヨーロッパ選手権の対局表

 


 日本の大会は対局席が近く騒がしいこともあるので、それとはだいぶ違った雰囲気です。

 今回はトーナメント会場が二つ、自由対局場、そしてプロ棋士のレッスンルームが用意され、来場された石川陽生七段と高田尚平七段にアドバイスを受けられます。
 この部屋では多面指しの指導対局や大盤解説も行われました。

 

張り出された対局表を見る参加者
張り出された対局表を見る参加者

 ヨーロッパ選手権はこの大会にエントリーしたヨーロッパのプレーヤーのうち、レーティング上位32人によるトーナメントです。
 それ以外の参加者(33位以下と他国のプレーヤー)と、トーナメント敗退者は自動的に世界オープンへの参加となり、全員が9ラウンドの対局を行います。
 わざわざ外国まで泊まりがけで来るのですから、負けて終わることなく誰もが最後まで楽しめるようになっています。

 

 今年の32人は全て有段者で、そのうちベラルーシが9人。圧倒的な層の厚さです。
 続いてドイツが5人、ポーランド3人、オーストリア3人。その国旗はトーナメント表だけではなく対局席にも飾られており、まさに国を背負っての闘いです。

 ベスト8の段階では4人がベラルーシ勢となり、昨年に引き続いてベラルーシ対決になるかと思われたのですが、決勝にはフランスのジャン・フォルタンさんとドイツのトーマス・ライターさんが勝ち上がりました。
 どちらも過去に優勝経験のある強豪。結果はライターさんの勝利となり、ホームでの優勝を飾りました。

 ベラルーシはとても悔しい思いを抱えて帰ったに違いありません。2019年はスロバキア、そして2020年はミンスク開催が決まっているとのことで、捲土重来を期するでしょう。

プロ棋士による将棋講座
プロ棋士による将棋講座

 

 私はこれまで国内外でたくさんの将棋大会を見てきましたが、今回の選手権ほど整然とした大会を見たことがありません。
 言語も文化も違う130人が一同に集まるのですから、いろんなことを気にかけなくてはならないはず。しかし、進行スケジュール、場内の動線や掲示物、昼食の用意まで、どれを取っても非の打ちどころのない快適な大会運営でした。

 

参加者全員による記念撮影
参加者全員による記念撮影

 これはヨーロッパ選手権34年の歴史の中で培われたノウハウと、ドイツの運営陣による綿密な準備ときめ細かな配慮によるものです。
 そしてここでの知見がさらに各地での大会へと伝わっていくことでしょう。(北尾まどか)

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

関連記事 一覧へ