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英国のW杯ボイコットは本気か

2018.3.14 11:26 共同通信
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ロンドンのスタジアムでポーズをとるイングランド代表=2017年9月(AP=共同)
ロンドンのスタジアムでポーズをとるイングランド代表=2017年9月(AP=共同)

 英南部で元ロシア情報機関員らが神経剤で襲撃されて重体となった事件で、英国のメイ首相はロシアの関与が濃厚として13日中のロシア政府からの説明を要求したが、ラブロフ・ロシア外相は「(メイ首相の主張は)ばかげている」と関与を否定した上で、逆にロシアでの分析のため神経剤の提供を英国側に要求した。両者の主張は完全に平行線で、焦点は英国の対ロ制裁と、欧米各国が呼応して新たな制裁に同調するかどうかに移ったが、制裁としてロシアで6月から始まるサッカーのワールドカップ(W杯)を英国がボイコットする可能性が浮上してきた。

 英紙タイムズやデーリー・メール(いずれも電子版)などによると、政府高官は制裁の選択肢として政府関係者のW杯関連行事への不参加のほか、イングランド代表チームの競技ボイコットを検討していることを示唆。ボイコットする場合は、同じくW杯に出場する日本やオーストラリア、ポーランドなどにも同調するよう呼び掛けることもあり得るとしている。

 ジョンソン外相も13日、下院で「英国の代表が何もなかったかのように、W杯に参加することを想像するのは難しい。間違いなく、そのことを検討する」と言明。一時、W杯ボイコットを示唆したものと受け止められた。

 このほか、議会でもボイコットを検討すべきとの声が高まっている。ロシア問題超党派議員グループ議長を務めるクリス・ブライアント氏は「プーチン大統領はW杯の機会を利用してロシアの栄光を誇示したいのだ。(ナチス・ドイツのプロパガンダに使われた)1936年のベルリン五輪のようになる」と述べ、ボイコットを主張した。

 しかし、ボイコットはそう簡単なことではない。デーリー・テレグラフ(電子版)によると、国際サッカー連盟(FIFA)の規定は、W杯への参加国代表が競技を勝手にボイコットすることを認めておらず、ボイコットした場合、その後のFIFA主催競技への参加を禁止する制裁を科すとしている。その場合、イングランド代表はロシアだけでなく、2022年にカタールで行われるW杯にも参加できなくなる可能性がある。また、多額の罰金も科せられる。

 ジョンソン氏の事務所も、下院での発言後、「ボイコットというのは政府高官のことを指しており、代表チームではない」と、あわてて〝誤解〟を解いた。元々イングランドは、W杯開催へ立候補した2010年のFIFA理事会投票で惨敗。開催が決まったロシアに負けたのは、FIFA幹部やロシアが腐敗していたためとの意識が強く、ロシア開催を歓迎していない風潮もあるとされる。メイ首相は14日にも対ロ制裁を発表するとみられるが、資産凍結や渡航制限、一部外交官の追放などに限られ、いきなりイングランド代表のボイコットにまで踏み込む可能性は薄いとみられている。 (47NEWS編集部 太田清)