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最終報告取りまとめ、遅れる公算 全世代型社会保障会議

2020.5.5 17:00 共同通信

 政府の全世代型社会保障検討会議(議長・安倍晋三首相)の最終報告の取りまとめが、予定される6月から遅れる可能性が高まっている。75歳以上の人が窓口で支払う医療費の負担を2割に引き上げる所得要件の線引きが焦点だが、新型コロナウイルスの感染拡大で議論が中断。首相が「内閣最大のチャレンジ」と位置付ける改革の先行きに暗雲が垂れ込める。

 最終報告に向けた議論では、75歳以上の医療費負担以外にも、昨年生まれた子どもの数が推計で86万4千人と過去最少になった「86万ショック」を受けた少子化対策、働き方の多様化に向けた兼業・副業の促進やフリーランスの保護策の詳細を詰める予定だった。

 ただ、今年に入って関係閣僚と中西宏明経団連会長ら民間メンバーが参加する会合は2月に介護分野をテーマに1回開いただけ。4月は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言の発令で予定していた会合を見送った。会議を主導する西村康稔全世代型社会保障改革担当相はコロナ担当に起用され、医療や働き方を担う加藤勝信厚生労働相も政府のコロナ対策の中核にいる。

 医療費負担の引き上げの所得要件線引きは、日本医師会や与党との調整が不可欠だが、議論はストップ。ある内閣府幹部は「景気が失速する中、負担増の議論は国民の理解が得られない。短期間で強引に決めれば『拙速』との批判も出る」と指摘する。

 全世代型社会保障検討会議は、人口の多い団塊世代が75歳になり始める2022年を前に現役世代の負担を抑え、全ての世代が安心できる制度への変革を掲げる。昨年末の中間報告では75歳以上の医療費負担について、22年度までに一定の所得のある人を2割に引き上げると明記した。最終報告の取りまとめが大幅にずれ込むようだと、政府が目指してきた今秋の臨時国会への関連法案提出が間に合わない事態もあり得る。