スウェーデン、集団免疫に見通し 首都で数週間以内に獲得と疫学者

2020年04月29日
共同通信共同通信

ストックホルムでの記者会見で話すアンデシュ・テグネル氏=28日(ロイター=共同)
ストックホルムでの記者会見で話すアンデシュ・テグネル氏=28日(ロイター=共同)

 【ニューヨーク共同】新型コロナウイルス感染で都市封鎖などをしない独自の対策を進めるスウェーデン政府の感染対策リーダーが、同国首都では今後数週間以内に「集団免疫」を獲得できる、との見通しを示した。

 疫学者アンデシュ・テグネル氏が28日の米紙USAトゥデーのインタビューで語った。同国は自主的に市民に社会的距離を促す一方、商店営業などを容認。経済への影響が比較的少ないと注目されているが、近隣国に比べ死者の割合も高いため批判も根強い。

 テグネル氏は、ストックホルムでは既に25%が感染して免疫を獲得したとの見解を表明。今後、ウイルスは長期間存在し、封鎖などの手段で排除できると考える国は失敗すると指摘した。「他国と比べれば経済はうまくいっており戦略は成功している」と強調した。

 また、積極的に集団免疫を目指したわけでなく、医療への負担は最小限にとどめるよう努めていると説明した。

 集団免疫は、地域の人口の多くが抗体を持つと流行を阻む「壁」になり、流行が広がりにくくなるとの考え方。