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ブランド力で伊に追いつけ 「NISSIN」のバイクブレーキ 

2017.10.27 15:28
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東京モーターショーに出品された日信工業のキャリパーなど
東京モーターショーに出品された日信工業のキャリパーなど

 車やオートバイなど、いわゆる「輸送機器」の安全に最も大切なものは何だろうか。私は安全に止まるためのブレーキと考えるが、オートバイのブレーキ生産で世界シェアトップを占めているのが日信工業(長野県東御市)だ。「NISSIN」のロゴでバイク好きの私にはなじみの深いメーカーだが、その認知度や人気は最大のライバルメーカー、イタリアのブレンボに比べると一歩劣ると言わざるを得ない。東京都江東区で始まった東京モーターショーで、今後のブランド戦略などを聞いた。

 現代のバイクのディスクブレーキは大きく分けると、ハンドルやステップに付いたブレーキレバーで液圧を加えるマスターシリンダーと、液圧を受け回転する車輪のローターをパッドで締め付けるキャリパーで構成される(最近はブレーキ時のスリップを防止するABS装置もあるが、すべての車両に装備されているわけではないのでここでは割愛する)。日信は両方を合わせたブレーキシステムで世界シェアの約25%を、マスターシリンダーだけでは約70%を占める最大手だ。

 ▽使われないロゴ

 キャリパーには通常、メーカーのロゴが付くが、日信製を使っていても「NISSIN」ロゴを付けないバイクメーカーも多い。キャリパーがローターの外側という目立ちやすい場所にあるためか、米国の高級バイクメーカー「ハーレーダビッドソン」、英国の「トライアンフ」や川崎重工業の一部バイクは自社のロゴを付けている。一方で、ブレンボの場合、多くのメーカーが「Brembo」のロゴを誇らしげに掲げている。イタリアの「ドゥカティ」やオーストリアの「KTM」のようにそもそも日信製を使っていない高級バイクメーカーもある。ここに両者の「ブランド力」の差が表れているという。

 1961年の創業以来、レースの場でその高性能ぶりをアピールするとともに、各メーカーの上級車種に装備されてきたブレンボには、「高性能で高級なブレーキ」との評判が定着。同じ性能なら日信製よりも明らかに高価だ。日信は日本の4大メーカーを中心に量販車に多く装着され、それが最大のシェアを誇る結果にもつながったが、一方で「普通のバイクの普通のブレーキ」とのイメージも強い。バイク購入後に、より良い部品に交換する「アフターマーケット」でも、ブランド力のあるブレンボ製が圧倒的に強い。この面では、バイク、車とも安価で大量生産の日本メーカーと、少量ながら高級で付加価値の高い商品づくりを続けてきた欧州勢との違いを象徴しているようだ。

 ▽性能は負けてない

 パフォーマンスで劣っていれば別だが、「性能面でブレンボには負けていないとの自信はある」(開発本部研究員の大日方直人さん)というだけに、悔しいものがあるだろう。営業部の岡田伸一さんは「今後はレース活動への参加を通じさらに、性能をアピールしたい」と言う。今もロードレース世界選手権のMoto2、3というクラスのレースには参加しているが、来年以降、最高峰のMotoGPクラスへの参戦も目指すという。

 ブランドイメージ向上のため社内に専門部署も設置。これまでエンジニアが決めていたキャリパーのデザインを外部に発注したほか、金属部品を削りだし高品感を醸し出したキャリパーも製作。高性能というだけでなく外観も「かっこいい」製品づくりに努めている。すべてのメーカーが「NISSIN」ロゴを競って表示するようにしてもらうことが目標だ。 (47NEWS編集部 太田清)

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