第9部「さまよう財政」(2) 健康促進は切り札か 医療費抑制の「甘い夢」

長寿社会で花開くヘルスケア産業を利用するのは、介護施設や高齢者らにとどまらない。生産性向上を急ぐ企業は、従業員らの健康診断データを解析するシステムを導入し始めている。

経費圧縮の思惑を込め、健康促進の追求は国レベルでも進む。合言葉は「治療から、予防や健康管理へのシフト」。腹囲を調べる特定健診(メタボ健診)の実施率向上や糖尿病患者数の抑制といった目標達成に加え、先進技術を生かす予防医療の議論が政策の前面に出てきた。
2025年、人口に占める65歳以上の割合が3分の1に近づき、高齢者の10人に6人は後期高齢者という未曽有の局面を迎える。「超寿社会」とでも呼ぶべき新たな時代だ
長寿社会で花開くヘルスケア産業を利用するのは、介護施設や高齢者らにとどまらない。生産性向上を急ぐ企業は、従業員らの健康診断データを解析するシステムを導入し始めている。
経費圧縮の思惑を込め、健康促進の追求は国レベルでも進む。合言葉は「治療から、予防や健康管理へのシフト」。腹囲を調べる特定健診(メタボ健診)の実施率向上や糖尿病患者数の抑制といった目標達成に加え、先進技術を生かす予防医療の議論が政策の前面に出てきた。
あなたが2060年を生きる住民なら町づくりをどう考えますか―。こんな視点を反映させた岩手県矢巾町の実験的な住民討論が注目されている。社会保障のように、負担をなるべく抑えて現在の給付や恩恵を守りたい今 ... [続きを読む]
日本の国家破綻が現実味を帯び、首相や官僚が前例のない予算削減に挑むという小説「オペレーションZ」で近未来に警鐘を鳴らした小説家の真山仁さん(56)に、財政への意見を聞いた。 ― ... [続きを読む]
「消費税率引き上げで2025年を念頭に進めてきた社会保障と税の一体改革は終了する。今後は団塊ジュニアが高齢者となる40年を見据えた検討を進める必要がある」 18年10月22日、厚生労 ... [続きを読む]
「退職後の生活に必要なお金がどれぐらいか分かりますか。現役時代の年収の7割程度です」。熊本市内で地元の九州FG証券が2019年2月に開いた「人生100年時代」に備える資産セミナー。講師のフィデリティ ... [続きを読む]
元気に暮らすのに重要な「歩行年齢」を姿勢などから測る機器や、ミネラル豊富な歯磨き粉…。東京都内で2019年2月に開かれた健康長寿産業展は、近年の健康ブームを一段と刺激しそうな商戦に沸い ... [続きを読む]
「この制度は大きな問題がある」「国民の納得は得られない」。2016年10月、厚生労働省の審議会。以前から財務省が医療で提起していた「ワンコイン負担」と呼ばれる制度案に、有識者が次々と異論を唱えた。 ... [続きを読む]
高齢者の住宅の現状や課題について、神戸大大学院人間発達環境学研究科の平山洋介教授(61)に聞いた。 ―日本の住宅政策の特徴は。 「高度経済成長期に人口も所得も増加し、インフレで資産価値も高ま ... [続きを読む]
「よいしょ、よいしょ」。石川県・能登半島北西部にある輪島市の中心部で2019年1月中旬、餅つき大会が開かれ、大きな掛け声が響いた。地域の子どもやお年寄り、近くの福祉施設の利用者ら70人ほどが集まり、 ... [続きを読む]
単身高齢者らの住まいを確保しようと、空き家や空き室を活用する国の制度が低迷している。家主の不安が根強いためで、2019年1月末の登録数は約7千戸と、20年度末までに17万5千戸とする目標に遠く及ばな ... [続きを読む]
2018年12月、東京都日野市のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の集会所。4人の高齢女性がテーブルを囲んでいた。全員が1人暮らし。住民の有志が参加する「ちょこっと仕事の会」の運営について話し合う ... [続きを読む]