音楽家、舞踊家向け医学を 研究会設立へ医師ら準備

2022年04月12日
共同通信共同通信
 極めて特殊な身体運動を強いられる音楽家や舞踊家の健康問題に対処するため、さまざまな診療科の医師や歯科医師らが専門的な立場で議論する「日本演奏芸術医学研究会」が近く設立される。医師ら50人以上が参加を表明し、事務局設置と学術集会開催のためクラウドファンディングで資金調達を進めている。
 
 

 

 整形外科医として音楽家の治療に長年携わってきた代表準備委員の酒井直隆医療法人社団アーツメディック理事長によると、楽器演奏や舞踊では、普通の生活ではあり得ない姿勢や緻密な体の動きを求められる。
 例えば、ピアニストは両手の指を同時に細かく素早く動かし続ける。バイオリニストは首と肩の間に楽器を挟んだ不自然な姿勢を保つ。バレエダンサーはつま先で立ったり、脚を180度近くまで上げたりする。
 けんしょう炎や筋肉痛、関節痛、神経障害など現れる疾患はさまざま。通常なら問題にならない軽い症状でも、演奏や演技に重大な支障をきたしかねない。また日々の練習でスキルを維持するため、一般患者のように完全休養して回復を待つことができないという特殊事情もある。
 「音楽家らの医療に対する要求レベルは高く、従来の医学では対応しきれない面がある。演奏芸術医学という領域を確立し、安心して専門医療を受けられるようにしたい」と酒井さん。
 これまで整形外科や耳鼻咽喉科、神経内科が中心だった対象疾患を内科や精神科、婦人科、眼科、歯科などにも拡大。診断法や治療法、予防法を研究し、トータルヘルスケアを目指すという。